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手づかみで体得したブラジル=19年度交流協会生の体験談(6)=⼋⽊⾕順平「何が本当に⼤事なのか学んだ」

 

 

研修先の同僚と

研修先の同僚と

経歴:⼋⽊⾕順平、22歳、兵庫県出⾝。京都外国語大学ポルトガル語学科4年⽣を休学し本制度に参加。ブラジル日本交流協会(http://anbi2009.org/)の研修先は郵船ロジスティクス、趣味はサッカー観戦とドラム。

 元々ブラジルには何の興味も無く、尊敬していたミュージシャンが外⼤だったっというだけで、何となく⼊りやすいポル語学科に⼊っただけでした。
 それなりに充実した⼤学⽣活を送って気づいたら、もうすぐ4年になろうとしていました。その時、「このまま社会に出ていいんやろかな。さほど苦労した経験もせずに、このまま貴重な⼤学⽣活を終えていいのかな」って⾊々な不安が押し寄せてきました。
 やっぱりポルトガル語学科に⼊ったんやったら、せめて会話できるようにならんと格好がつかないし、今しか出来ない留学をして何か新しいことを⾒つけたい。けど普通に留学⾏っても遊んで終わりそう。そんな事を考えてる時に、たまたま僕の先輩から交流協会の制度で研修をした話を聞いて応募を決意しました。
 なので「ブラジルに⾏きたい!」という強い動機があるわけではなかったです。ただ、みんなが⾏かないような国、いわゆる発展途上の国で働きながら学ぶっていう経験は貴重な経験になると思ったし、「絶対に⼈として成⻑できる!」って期待がありました。
 ⾏く前は、「ブラジルって貧富の差が激しく治安が悪くて、下⼿したら⽣きて帰ってこれるかわからないってくらい危ない国」ってイメージしかありませんでした。
 後は皆貧しくても明るく⽣きてるんやろなって思ってました。
 実際来てみると、衛⽣⾯や治安の悪さが想像以上で、直ぐに⽇本に帰りたくなりました。街はゴミだらけで道はボコボコ、各家には侵⼊できないように檻みたいな⾨があったりとイメージより酷かった印象がありました。
 慣れない環境で⽣活が始まったと思ったら直ぐに研修がスタート。研修先は物流倉庫で、ブラジル⼈しかおらん環境。しかも⼒仕事をするって事にとても不安を持って出社したことを今でも覚えています。
 でも、そんな不安を吹き⾶ばすくらい初⽇からみんな凄い歓迎してくれて、こっちが⾔葉を理解してなくてもお構いなしに話しかけてきてくれました。
 けれど直ぐにブラジル⼈達のテンションの⾼さやしょーもない冗談についていけなくなり、最初は研修先に⾏くのが⾟かったです。
 しかし、そんな⽣活にも次第に慣れてきて、⼼に余裕ができてきました。そうなると、仕事中でもお喋りが好きで、時間や細かい事をあまり気にしない国⺠性に居⼼地の良さを感じるようになりました。
 そしてそれと同時に、ブラジル社会の厳しさも身に沁みました。同僚達はいつもお⾦に困っていました。彼らの給料明細を⾒た時は開いた⼝が塞がらなかったことを覚えています。毎⽉のようにリストラされて泣いてる同僚を⾒て⼼が何度も痛くなりました。
 それでもみんなよく家に誘ってくれたりしてくれました。研修が終わる頃にはマグカップやユニフォーム、沢⼭の思い出をもらった。同僚だけじゃない。道に迷っていたら声をかけてくれて⽬的地まで案内してくれたり、⽇本が好きだからという理由で無料でタクシーに乗せてくれたり、ブラジル⼈からは無償の愛を貰った。


 コミュニケーションの取り⽅もブラジル⼈は教えてくれた。しょーもないことでいいから少しずつ、ほんとに少しずつ話していけば相⼿は⼼を開いてくれる。⾔葉が通じようが通じまいが関係ない。⼤事なんは気持ちなんやと。
 結局、語学⼒は思ったよりつかなかったし、⼈として成⻑できたかって⾔われると正直まだまだ。ブラジルで何かを成し遂げたこたもない。
 けれどブラジルからは今後⽣きていく上で⼤事なことを沢⼭貰った。そして同僚との⽇々は僕の⼀⽣の誇りです。⽇本に⽣きずらさを感じてる⼈など、ブラジルに⾏けば何が本当に⼤事なのか、気付ける事が沢⼭あるんじゃないかと思う。

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