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新型コロナとのつきあい方=岡本洋幸(在ブラジル日本国大使館 参事官兼医務官 ICD)、平山謙二(長崎大学熱帯研究所教授)、三浦左千夫(長崎大学客員教授)

6月9日。引き渡しの際、GDF国際課長ヘナッタ・ズキン(Renata Zuquim)氏及びハイ・カルバーリョ氏(同課担当官)も荷物のピックアップしに当館に来た。ブラジル政府を通じて、貧困層に配布されます。山田大使、岡本医務官

 新型コロナウイルス(COVID―19)は、感染後咳や発熱などの症状のない潜伏期間が約5―6日とされているが、インフルエンザAやSARSと違い、発症前の感染者の中にすでにウイルスを排出し感染を広める人が存在することが知られています。
 流行を抑制する強力な手段であるワクチンや治療薬の大量生産には、1年から18カ月かかることが想定されており、それまでの間の蔓延を抑制する切り札となるのは,個人の行動です。
 特に遠隔地からの医療アドバイスによる早期の自己隔離や、集会などへ参加をしないなどの社会的距離の確保を守ることが強く求められています。
 これまでの各地での調査では、軍事施設やナイトクラブなど密集空間での感染が多いことが知られているが、人が密集して暮らす貧困地区の多いブラジル都市部では、感染拡大の要素が大きいといえます。また、死亡率もそのような地域では高くなる傾向にあります。

死亡率を高める要因(重症化要因)とその対策

 高齢者、循環器疾患、糖尿病、肥満、喫煙歴は、重症化及びその死亡率を上昇させる。それ以外にも、2014―2016年の西アフリカでのエボラ出血熱のパンデミックの際には、保健医療従事者の感染や死亡による医療崩壊により死亡者が増加した経緯があるので、医療スタッフに対する防護服貸与や感染防御の啓発教育などが重要となります。
 アメリカの退役看護師の在住する施設では住民89人中64人が陽性で、半分以上は無症状であったことから、症状の無い状態で感染が拡大したことが大いに考えられます。
 医療従事者も、しっかりした感染防御が必要です。連邦区(DF)について言えば、5月13日のDF保健局発表では、DF内で職業別の報告のあったCOVID―19感染者数1875名のうち339名(18・1%)が医療従事者で、主に防護服の不足が原因とされています。

今後の可能性

 大きな感染爆発がないにせよ、数年単位で流行が継続する可能性があるとともに、社会的距離確保政策の中で健康管理(自宅でできる運動)や他者への思いやりなども重要になってきます。
 在ブラジル大使館では、「DF内貧困層に向けた食料や感染予防に係る物資の支援」として、約4千レアルを館員、現地職員からつのり、アルコールジェル240本(6個入り40箱、420g)、食器用洗剤192本(24本入り8箱、500ml)、洗濯用液体洗剤48本(4本入り12箱、3l)、マスク215枚(使い捨てマスク200枚、再利用可能マスク15枚)等を購入寄付させていただきました。
 日本でもとあるアルコールジェルを作るための部品の一部が中国製であったところ、新型コロナウイルスの影響で中国でのその部品の製造が止まったために、そのアルコールジェル製品の日本での生産が中止されたりしました。現在の世界は、見えないところで多くの国や人に支えられているところが大きいと気づかされました。
 レストランに行けば当たり前に食事が出来、学校に行けば教育を受けることが出来る。そういった当たり前の世界が、出来て当然ではなく、多くの方々の協力の元に、社会一環として出来ていた事実を思い知らされ、多くの人が何が自分たちに出来ることなのかを深く考えさせられる社会になっていくのではないかと感じています。
 早期の安全なワクチン開発、安全な治療薬の開発が保証されるまでは、各個人が感染予防を意識し生活改善に努めましょう。

ブラジリアで行われた抗体検査の様子(Foto Renato Alves/Agência Brasília)

個別アドバイス

 今後、レストランが開放された際、ポルキロではトングの使用で感染のリスクがあるため、注意が必要であったり、自宅内での簡単な筋トレ(スクワットやベッドでの足上げなど週2回以上各20分程度行えると良いです)も有用です。
 犬を飼っている方は、犬の散歩のために出歩くのは許されています。食事では、ウーバーイーツなどが多くなる傾向ですが、なるべく野菜類を食べるように心がけてください。
 日本の旅行者からは、帰国出来なくなり内服薬の相談があり、当地の購入可能な薬局と値段をお伝えするなどさせて頂きました。
 死亡時の対応について調べた結果、2011年の法律で、新感染症の遺体は、防腐サービスおよび搬送を禁じているので、COVID―19感染者は、当地で火葬されるか、埋葬されることになる。

謝辞

 国立国際医療研究センター 総合感染症科長 大曲 貴夫医師、ブラジル保健省およびPAHO(汎米保健機構)に対して、日本の対応法などをいち早く伝えてくれた。
(※これは個人の見解であり、所属する団体の見解ではありません)

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