2日放送のグローボ局の番組内で、7月初旬にフェイスブック社本社が凍結した、ボルソナロ大統領に関連するアカウント削除の詳細が公開され、連邦政府関係者が深く関わってフェイクニュースを作って拡散させていた「憎悪部隊(gabinete do ódio)」の仕組みが露わになったと波紋が広がっている。3日付現地紙が報じている。
2日夜に放送されたグローボ局「ファンタスチコ」では、7月8日にフェイスブック社が凍結した大統領関係者のアカウントが、どういうものだったかが詳しく報道された。
同社処分では、35のフェイスブックのアカウント、38のインスタグラムのアカウント、14のフェイスブックのページ、ひとつのフェイスブック内のグループが削除対象となっていた。
同番組が調査した結果、大統領の特別秘書をつとめるテルシオ・トマス氏のアカウントと、彼が運営する「ボルソナロ・ニュース」などの2つのサイトを凍結されていたことがわかった。
大統領三男のエドゥアルド下議の側近二人、エドゥアルド・ギマリャンエス氏とエドゥアルド・ロペス氏もアカウントを差し止められている。前者は以前にも連邦議会のアカウントからウイルスを拡散したことが判明しており、後者は運営していた「ザ・ブラジリアン・ポスト」など6つのニュース・サイトが凍結されている。
大統領の前所属政党、社会自由党(PSL)のリオ州議アラナ・パッソス氏の側近レオナルド・ロドリゲス氏は少なくとも8つのフェイクニュース・ページを凍結された。これらのページには大統領自身が録音した内容を掲載したものもある。
レオナルド氏の恋人で、アンデルソン・モラエス・リオ州議(PSL)の側近のヴァネッサ・ナヴァーロ氏も、少なくとも7つの所有サイトを凍結された。これらのサイトでは、レオナルド氏のサイトで投稿された内容が拡散されていた。
番組内で詳細は明かされなかったものの、大統領長男のフラヴィオ上議の職員も、こうしたフェイクニュース拡散の計画に参加したと見られている。これらサイトでのフェイクニュース投稿は、2018年の大統領選の際には既に行われていたとも推測されている。。
放送終了後、野党側の政治家たちは一様に「ボルソナロ大統領とアミウトン・モウロン副大統領のシャッパ(立候補連名リスト)の当選を無効にするべきだ」として、選挙高裁へ訴える構えを見せている。
今回報じられた人物たちは、アレシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事によって、ツイッターとフェイスブックのアカウントの国際的な差止命令を受けた16人は含まれていない。なおフェイスブック社は当初、7月30日に出された国際的差し止めに反対していたが、モラエス判事が伯国社長への罰金刑を命じたために結局は命令に従った。