パウロ・ゲデス経済相は8月3日、ブラジル銀行新頭取としてHSBCブラジルのCEOアンドレ・ブランドン氏を正式に指名した。7月24日に辞表表明をしていたルベン・デ・フレイタス・ノヴァエス頭取の後任。伯字各メディアが報じている。
ルベン前頭取は「教祖」と呼ばれるオラーヴォ・デ・カルヴァーリョ氏と関係が深い人物とされている。オラーヴォ氏は大統領一家にも強い影響を与えている右翼思想家だが、軍官僚らを批判したことにより、軍閥が政権から同氏関係者を外す動きがでていた。
ブラジル銀行内でも同様の圧力が掛かったのではないかとみられている。ただしルベン前頭取(74歳)は「疲れたため」とだけ語り、ボルソナロ大統領、ゲデス経相へ辞任を告げている。
新頭取のブランドン氏は、グローボ局が経済省官僚から得た情報によると「若い銀行家にしては、経験豊富で実力もあり、慎重で政治力もある」と高い評価を得ていることを1日付けで報じた。大統領も「彼が就任すべき」とゲデス経相へ強く押していた様子だ。
ブランドン氏はHSBCの気候変動ビジネス評議会を率いており、16年に発表した調査では「グリーン投資と低炭素経済を後押しするために、これらのビジネスの前線にある企業の透明性の向上が必要」と指摘。
ボルソナロ政権ではアマゾン森林減少や環境問題に関して国際投資家達から投資差止めの圧力がかかっていた。