ブラジル国内ニュース

《ブラジル市長選》連邦レベルで対立する政党が連立=摩訶不思議な左右共闘

PTとPSLの連携を報じる記事(twitter)

 ボルソナロ大統領が所属していた右派・社会自由党(PSL)と、ルーラ元大統領の左派・労働者党(PT)は対立イメージがありながらも、11月の全国市長選で数多くの連立を組んでいると2日付現地紙が報じている。
 ボルソナロ氏は18年の大統領選にPSLから出馬して反PTを訴え、PT政権の復帰に反対する国民の支持を味方につけて当選したという経緯がある。
 下院議員の数でも、PTが1位でPSLが2位と、両党は野党と与党のそれぞれの代表とのイメージも持たれている。
 だが、選挙高裁に届けられたデータによると、この2党は今年の市長選で、全国で145市にわたって連立を組んでいることがわかった。
 ボルソナロ大統領は新党・ブラジル同盟の結党のため、昨年11月にPSLを離党している。だが新政党が成立していない現状では、ボルソナロ氏に近い保守派議員はまだ同党にかなり残っている。

「市長選は、その市の政治状況の影響が大きい。本来なら政治の方向性は大切な要因だが、長年にわたって協力関係を築いてきた場合などは、イデオロギーや政党以上に、従来からの関係が重視される」とブラジリア大学のアルナルド・マウエルブルグ・ジュニオル氏は語っている。
 こうした現象が起こるのは、連立を組むことで生じる政党支援金や選挙放送の時間の確保や従来からの関係維持が、イデオロギーなどより優先されていることが原因といえそうだ。
 PTはルーラ氏の助言もあり、セントロンとも連立を組む姿勢をみせたが、左派の中にはこれを嫌うグループがある。本来ならPTとの親和性が高いはずのブラジル社会党(PSB)や民主労働党(PDT)の方がむしろ、PT離れが目立つという。
 今年はあらゆる党で様々な連立が全国で組まれているが、新興右派政党のノーヴォはどこの政党とも連立を組んでいない。PSLと極左・社会主義自由党(PSOL)との連立も1組だけだという。

 

こちらの記事もどうぞ

Back to top button