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隈研吾設計で改修開店=話題のファーストショップ=生活空間そのものを提案

ファーストショップ・イビラプエラ店の店頭(中央が藤井さん)

ファーストショップ・イビラプエラ店の店頭(中央が藤井さん)

 ブラジルの家電量販店ファーストショップ(カクモト・ミルトン会長、二世)のショッピングセンター第1号イビラプエラ店が12日、リニューアルオープンした。「設計から工事まで約2年かかりましたが、ブラジルのみならず世界に注目されるようなコンセプトの店舗を作ることができたとおもいます」――改装プロジェクトの中心として活躍した隈研吾建築都市設計事務所ブラジル室長の藤井勇人さん(41歳・兵庫県)は、そう胸中を語った。
 

 現在ブラジル全土に100店舗以上展開している高級路線の家電量販店だが、ショッピングセンター初出店は1996年にサンパウロ市南部の同イビラプエラ内のこの店だった。
 今回の改修を手掛けた隈研吾建築都市設計事務所は、東京の新国立競技場や、2017年に開設されたジャパン・ハウスの建築設計も手掛けた。藤井さんはジャパン・ハウスの建築プロジェクトマネジャーだった。
 そのジャパン・ハウス設立の際、カクモト氏と隈氏が会い、毎年日本に旅行に行くほど思入れが強いカクモト氏の熱意を受け取り、今回の改装工事を引き受けた。藤井さんは「日本への思いが強いカクモトさんのお願いだから今回の仕事を引き受けた」と隈氏は話していたという。
 藤井さんはファーストショップと共に、改装にあたって店舗デザインから商品の陳列、運営、商品選定まで根本的に見直す設計提案を行った。基本コンセプトとなったのは、消費者の生活空間そのものを提案をするように7エリアを設け、各空間のデザインを変えていることだという。
 7エリアは「ニュース」「キッズ」「スマートハウス」「キッチン」「ユーティリティ」「ホームシアター」「コネクティビティ」。ほかに商談等で使用できる多目的スペースやカフェが提供される場所もある。
 藤井さんは「エリアごとに、ただ商品を陳列するだけでなく、そ生活様式をまるごと提案できるように設計をしました。その設計の中の所々に『和』の感覚を取り入れています」と語る。

ニュースエリア

ニュースエリア

 例えば「ニュース」エリアの天井には長さ140センチ程の白を基調とした「CLOUD」という雲のようなカーテンが天井からつるされており、これは日本からの輸入品。三軸織物という特殊技術を用いて織った布で、日本の織物業者の中でも限られた工場しか持たない技術だ。
 藤井さんは「この布は日本でしか作れないものだったので輸入せざるを得ませんでしたが、他の素材は全てブラジルのものを使用し、現地で制作しました。それによってブラジルと日本の素材や技術が融合した空間を作ることができました」と語る。
 今回のプロジェクト関係者に日本人が全くいなかった点でも苦労した。「ジャパン・ハウスの時は、外務省や領事館の方、そして日本のゼネコンなども関わっていたので、日本人の方々に相談することができました。今回は日本人が自分ひとりだったので、日本側が求める品質や細部の仕上がりを伝えて作り上げることに苦労しましたし、途中で愛想を尽かして離れていく仲間もたくさんいました」と藤井さんは語る。
 「でも今回、最終的に最後までついてきてくれたのは『いいものを創りたい』という強い思いを持った人たちでした。その思いは国籍関係なく共鳴して最後まで粘り強く作り上げてくれました」
 藤井さんは「日本のDNAが散りばめられたこの店に、ぜひ足をお運びください」と呼びかけている。 住所(shopping Ibirapuera Piso – Av. Ibirapuera, 3103 – Loja 38 – Campo Belo, São Paulo – SP, 04029-902)、年中無休、営業時間10~22時まで。

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