ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》巣ごもり生活で幼児が発達遅滞に?=発話の遅れや人格形成に悪影響も=外界の刺激が乏しく

《ブラジル》巣ごもり生活で幼児が発達遅滞に?=発話の遅れや人格形成に悪影響も=外界の刺激が乏しく

社会隔離で発話が遅れると報じる12月27日付アジェンシア・ブラジルの記事の一部

 新型コロナの世界的流行(パンデミック)で社会隔離の必要が叫ばれ始めた事で、家に閉じこもりがちになっている子供達に発話の遅れなどの問題が起きている。
 社会的隔離による発話の遅れは、学校や近所での友人同士の交流や教師を含む大人とのやり取り、家族での外出といった社会生活の場や発話の必要が減るといった事情で生じる。
 昨年の半ば頃からは、課外活動のみは学校での対面授業を認めるなど、様々な動きが出てきた。だが、多くの州は授業の大半が遠隔授業で、教師とのやり取りもごく僅かなど、言語発達を促す要素は以前より少ない。
 遠隔授業でタブレットや携帯電話を使う事が増え、ゲームなどにのめりこむ子供も出ている。このような状況も発話の機会が減る要因となる。
 人との交流の場が限られ、発話の機会が少なくなると、発音、発話だけでなく、人の話や周囲の音を聞く事で鍛えられる聞き取り能力や、音の認識能力、集中力などにも影響が生じ得る。ビデオなどを見る際にイヤホンを多用し、高音で視聴を続けていると、聴覚障害などを起こす可能性も出て来る。
 社会隔離の影響は就学前の子供でも見られる。これは、人混みを避けようとして公園や広場などに行く機会が減り、ごく限られた人達との接触しか持てないからだ。
 2歳になったら幼稚園に入る予定だったという子供が、パンデミックのために、1日中母親と過ごす状態になり、それまでに習得した語彙以外の言葉はほとんど増えていないという例もある。

外で遊ぶことも子供にとっては大切な経験(参考写真)

 言葉を話し始める1歳頃から2~3歳までは特に、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚という五感をフル活用する必要がある。だが、社会隔離の中では遊びなども限られ、新しい刺激を得る事が難しい。
 歌や読み聞かせなどは有効だが、同じ歌や話ばかりだと語彙も増えにくいし、交通機関の中なども含む、家とは異なる環境や趣向、刺激、ハグを含む触れ合いが人格形成に与える影響は大きい。
 社会隔離による子供への影響は、睡眠の質が落ちたり、落ち着きがなくなるといった形でも出て来る。3歳の息子が親の注意を引くために仕事中も抱いてくれとせがんだり、おむつトレーニングにも失敗するようになったりして、社会隔離の影響に気付いた親もいる。
 この子供は保育園に通っている時も発話などに困難を覚えていたが、保育園が休園となってからはその傾向が顕著になったため、親も一緒にいる時間や読み聞かせ、遊びの時間を増やすなどして対応を図っているという。
 なお、読み聞かせや遊びの時間を増やし、対話を心掛けた事で、子供の語彙が増え、精神的にも落ち着いたという4歳児もいる。
 子供の発達は個人差が大きい上、周囲の大人が対応できる範囲は限られる。また、全ての子供に有効な教材や手段、時間といった基準はない。
 だが、親を含む大人が社会隔離によって生じ得る影響を理解し、対応を図る事で、子供のストレスや社会隔離の影響を軽減する事はできる。周囲の大人が子供のストレスや社会隔離の影響軽減に努める事が、より健全な子供の成長と隔離解除後の速やかな適応を生む事を認識する事が必要だ。(12月27日付アジェンシア・ブラジルより)

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