ブラジル勢同士の対決となったサッカーのリベルタドーレス杯決勝は、1月30日にリオ市のマラカナン・スタジアムで行われ、パルメイラスがサントスを1―0で下し、21大会ぶり2度目の南米一を達成した。次の週末には世界一をかけてクラブW杯に進出する。1月31日付現地紙が報じている。
今年のリ杯決勝は、南米でも屈指の豊富な戦力で優勝候補の一角に数えられていたパルメイラスと、下馬評は低かったものの、13年にアトレチコ・ミネイロを南米一に導いたクッカ監督の采配や18歳のセンター・フォワードのカイオ・ジョルジェ、遅咲きのストライカー、マリーニョの活躍が目立つサントスとの一戦となった。
試合の立ち上がり、そのものは鈍かった。前半は両軍ともチャンスらしいチャンスを作れず、パス回しに終始。パルメイラスが徹底してマリーニョをマークし、彼への厳しいファウルもしばしば見られた。
後半に入ると、両軍共に積極的なシュート攻勢に入った。だが、ここでも決定機を作れず、試合はアディショナル・タイムまで進んだ。
後半52分、タッチラインにボールを拾いに来たパルメイラスのマルコス・ロシャがサントスのクッカ監督と衝突。これに激昂したクッカ氏がロシャに暴力を振るおうとしたことで両軍入り乱れてのもみあいとなった。これでクッカ氏が退場処分となった。
その2分後、ロニーからのクロスを途中出場のブルーノ・ロペスがヘディング・シュートで決め、均衡を破った。ブルーノ・ロペスは今季、全国選手権2部のジュヴェントゥーデから移籍してきたばかりの無名の伏兵だった。試合はそのままパルメイラスが逃げ切り、1999年大会以来の2度目の優勝を決めた。
優勝監督となったのは昨年10月に就任したアベル・フェレイラ氏。ギリシャのクラブPAOKを率いていた42歳のポルトガル人だ。ブラジル的には意外な人選で注目された人物で、本人は「ルシェンブルゴ氏の教えを忠実に受け継いだだけだ」と、前任者である国内屈指の名将をたたえた。
パルメイラスは今後、世界一をかけ、カタールで開催中のクラブW杯に出場する。同杯は既にはじまっており、パルメイラスは7日の準決勝で、北中米一のUANL(メキシコ)とアジア一の全北現代モータース(韓国)との勝者と対戦する。