ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》アマゾナス変異株=若者の死亡例増加との指摘も=ワクチン接種翌日に高齢者死亡?=他州移転で全国に急拡大と警告

《ブラジル》アマゾナス変異株=若者の死亡例増加との指摘も=ワクチン接種翌日に高齢者死亡?=他州移転で全国に急拡大と警告

アマゾナス州ではハイリスクグループ以外の死者が多い事を示すグラフ(1日付エスタード紙の記事の一部)

 【既報関連】14日に州都マナウスの病院の酸素が尽き、患者の窒息死まで起きたアマゾナス州の医療崩壊は深刻さを増し、内陸部から州都への移送を待つ間に亡くなる患者が続き、慢性疾患もなく若い患者の死亡例も増えている。医療崩壊に伴う他州への患者移送で新たな感染拡大を案ずる声も出ていると1月27~2月1日付現地紙、サイトが報じた。
 同州の窮状は、P1と呼ばれる感染力の強い変異株による急速な感染拡大と、もともと脆弱だった医療・保健体制の結果だ。
 12月から始まっていたP1による感染が、1月下旬にようやく確認されたという遅れも医療体制の脆弱さの証拠の一つだ。
 英国や南アフリカで発見された変異株が両国での感染急拡大を招き、致死率も高い可能性が言われる中、同様の変異を遂げたP1による感染者急増とアマゾナス州での死者増加とは無縁ではないはずとの声も出ている。
 1月末日現在の感染者は26万7394人で6万4516人/100万人、死者は8117人で1958人/100万人、致死率は3・0%。
 全国の感染者が920万4731人で4万3801人/100万人、死者は22万4504人で1068人/100万人、致死率2・4%と比べると、同州の死亡率や致死率の高さは一目瞭然だ。
 60歳未満、肥満や慢性疾患の問題がない人が死者全体に占める割合も、全国平均の7・3%に対して11・8%と極端に高い。1月はこの割合が急伸し、全国の7・4%(1073人)に対して19・9%(331人)となった。

 マナウス市での医療崩壊の影響は全州に及び、内陸部7市では先月、州都の集中治療室への移送を待つ人14人が死亡。1月20日には、司法支援センターが同月15~19日に起きた内陸部の死者30人(酸素不足や集中治療室待ち)について国と州の責任を問う訴えも起こしている。
 同州は予防接種ワクチンの配布でも優先措置を受けた。だが、州都などで優先順位を無視して、企業家や就任直後の医師、市や州の当局関係者らが接種を受けた事などが判明し、各市へのワクチンの配布が一時的に差し止められる事態も起きた。
 1月29日にはマナウス市でも高齢者への接種が始まったが、オックスフォードワクチンの接種を受けた83歳男性が翌日に死亡し、死因調査中だ。男性は高血圧症で風邪気味だったが症状は軽く、血圧の薬も飲んでいたため、接種を受けた。

ロックダウン採用を発表するパラー州のエルデル・バルバーリョ知事(Alan Santos/PR)

 病院での窒息死や他州への患者移送開始という窮状は世界中に知れ、酸素や医療資材などの支援が届いているが、パズエロ保健相は1月29日、他州に移転しなければ1日80~100人が死ぬとし、「1500人の移送が必要」と語った。
 患者の他州移送は1日も続き、同州の患者は地元の患者と部屋を分けるなどの措置も行われている。
 ただし、マンデッタ元保健相は1月28日、「他州移送で変異株による感染拡大が起きれば、今後60日以内に全国的な感染急拡大が起きる」と警告した。
 変異株による感染者はサンパウロ州、セルジッペ州、パラー州でも確認済みだ。これを受け、パラー州の一部では1日からロックダウンが始まった。

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