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ニッケイ歌壇が7月から再開=新選者に小濃芳子さん就任

小濃芳子さん

小濃芳子さん

 本紙文芸欄「ニッケイ歌壇」(短歌)の選者が上妻(こうづま)博彦さんから、小濃芳子(おのうよしこ、大阪、88歳)さんに交代することになった。7月21日(水)付けから歌壇を再開する。
 小濃さんは1958年に夫と共にブラジルへ移住。60歳で短歌をはじめた遅咲きだが、2012年に明治神宮春の大祭・奉祝献詠短歌大会で「特選」にも選ばれたほか、日本から投句依頼を受ける事もある。
 パンデミック以前には訪日するたびに日本の歌会にも参加し、作歌技術について研鑽を積んで来た。イギリス在住の歌人の渡辺幸一氏と交流を持つなど国外での活動を積極的に行ってきた。
 今まで何度か選者就任の誘いがあったが「短歌歴が短いから」と謙遜し断ってきた。この度は小池みさ子さんの後押しもあって「お世話になったブラジル日系社会に少しでも役に立てれば」との気持ちから歌壇選者をひきうけたという。
 5月19日付けで掲載した上妻選ニッケイ歌壇の休止告知後に上妻さん宛てに届いた作品は、ニッケイ新聞社の一存で小濃芳子さんに選をお願いし、7月の歌壇で発表することになった。
 本紙の深沢正雪編集長は「今まで歌壇に投稿してきてくれた皆さん、今後も変わらずに投稿をお願いします。戦前から続いてきた伝統ある移民の短歌の灯を、できるだけ絶やさずに続けましょう」と呼びかけている。
 昨今は郵便事情が悪化しているのでメール(yohikomaedasp@yahoo.co.jp)が出来る人は是非メールで投稿を。

■ニッケイ歌壇送り先住所
SRA.YOSHIKO ONOU
Rua Francisco dias,730 J.da,SAUDE ,São Paulo SP CEP = 04148-000

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 ニッケイ歌壇新選者の小濃芳子さんは子供時代に戦争を経験しており「戦時中の悲惨さに比べたら大概のことは乗り越えられた」と自分の人生を振り返る。とはいえ戦後のエピソードも波乱万丈だ。戦後に関西大学英文科を卒業し、全日本空輸の前身である極東航空株式会社に勤めたが半年給与が出なかった事や、来伯国後にはオバケが出る家に住んで居た事もあるとか。「自分史を書かないんですか?」と訊ねると「自分史は膨大な量を書かなくちゃいけないから大変。短歌は短い中で気持ちが伝わる」と頷いた。

 

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