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《ブラジル》最高裁=サンパウロ州に軍警の行為の賠償責任=デモ取材中の記者失命事件で

 最高裁が10日、デモ取材中にゴム弾を浴びて失命したカメラマンのアレックス・シルヴェイラ氏への賠償責任はサンパウロ州政府にあるとの判断を下したと同日付現地サイトが報じた。
 シルヴェイラ氏は、2000年にサンパウロ市中央部で起きたデモを取材していた際、軍警が撃ったゴム弾を受けて失命した。この日は、デモ参加者と軍警との抗争が起き、軍警が催涙ガス弾やゴム弾を使用。メディアの車の傍で取材中だったシルヴェイラ氏が被弾した。
 同件の審理は昨年8月にビデオ審理の形で始まり、10日に結審となった。報告官を務めたマルコ・アウレリオ・メロ判事は、同氏が負傷したのは取材活動中で、被弾・失明は同氏の行動が不適切であったために起きたとするのは、職務遂行を妨げ、市民の知る権利を侵害するもので、治安関係者の誤りをカモフラージュするものとした。

 大法廷ではヌネス・マルケス判事を除く10人がこの判断を支持。失明は本人の過失によるものではなく、行政が賠償責任を負うべきとの判断を下した。
 審理では、アレッシャンドレ・デ・モラエス判事が提唱した、今回の判決を判例とするべきとの提案も支持された。これにより、多数の人がデモに参加して人混みが生じた場合や、デモ参加者と警察との抗争が生じた場合は、行政側に危険地帯を指摘するなどの指導義務がある事や、メディア関係者がこれを無視して活動し、あえて危険地帯に踏み込むなどの危険行為が明らかな場合は被害者の責任とする事などが確認された。
 これにより、同様の事件が起きた場合の責任の所在は今回の判決に沿って判断される事になる。
 同件では最初、州政府に100最低賃金の賠償を命じる判決が出たが、州政府が控訴して判決が逆転。責任は被害者にあるとされた事を不服としたシルヴェイラ氏が最高裁に上告していた。

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