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《ブラジル》コバクシン疑惑で高まる大統領捜査への要望=上議の訴えに最高裁も反応=さらなる疑惑も次々に発覚

28日のボルソナロ大統領(Marcos Correa)

 28日、3人の上院議員がインドのコロナワクチン「コバクシン」に関する不正疑惑を黙認した責任でボルソナロ大統領を捜査するように求める要請書を最高裁に提出した。それを受け、ローザ・ウェベル判事が連邦検察庁にこの要請書を転送し、犯罪性の有無などに関する意見書を出すよう命令した。また、コバクシン疑惑の渦中にあるリカルド・バロス下議や仲介企業の「プレシーザ・メジカメントス」に関してもさらなる疑惑が浮上中だ。29日付現地紙、サイトが報じている。
 最高裁にボルソナロ大統領捜査を求めたのは、上院のコロナ禍議会調査委員会(CPI)のランドルフ・ロドリゲス副委員長(レデ)、ファビアーノ・コンタラト上議(レデ)、ジョルジェ・カジュルー上議(ポデモス)の3人だ。
 3人の訴えは、25日に行われたCPIで、ルイス・ミランダ下議(民主党・DEM)の証言に基づいている。同証言によれば、3月20日に保健省のコバクシン不正疑惑を彼が直訴した時点で、同件には下院の連邦政府リーダーのリカルド・バロス氏が関与していたことを大統領がすでに知っていたこと、さらに口約束で「連邦政府に捜査をさせる」と言っておきながら大統領は実行せず、不正を黙認した疑惑を問題視してのものだ。
 この訴えを受けたローザ判事は「事態はきわめて重大」との判断を下し、検察庁に対し、捜査開始に関する意見書を出すよう命じた。
 これにより、この件の判断は検察庁のアウグスト・アラス長官に委ねられることになったが、応じるか否かは疑問視されている。それはかねてから、ボルソナロ氏の指名で長官職を得たアラス氏が大統領に有利な判断を下す傾向があるからだ。

 それに加え、7月以降、国家総弁護庁のアンドレ・メンドンサ長官が上院で拒絶された場合に、彼が最高裁判事に指名される可能性があることや、検察庁長官として大統領から再指名される可能性に期待しているからだ。仮に同長官が大統領を捜査する判断を下した場合、アラス氏はこれらの好機を逃す可能性が高まる。
 このコバクシン疑惑黙認問題は、ボルソナロ大統領の罷免の可能性を高めるものとして現在、注目されている。だが、大統領が罷免されるためには検察庁が動かないと捜査が始まらず、この件での罷免は難しくはなる。
 だが、大統領にとって、現状は決して容易ではない。CPIではすでに、バロス氏の召喚が強く望まれている上、30日に左派と右派が合同で提出予定の大型の大統領罷免請求にも、このコバクシンの件が盛り込まれている。
 一方、バロス氏自身もコバクシン疑惑に関して、無実を訴えている。だが、同氏とつながりが古いパラナ州マリンガの製薬会社が中国カンシノ社のワクチンで不正契約を行った疑惑が27日に浮上した上、29日には、マルセロ・ケイロガ保健相が4月15日にバロス氏と会った際、マリンガの製薬会社の関係者らにも会っていたのに、公式の記録に関係者の名前を記載していなかったことが明らかになった。
 さらには、コバクシンの契約に絡んだプレシーザ社とインドのバーラト・バイオテックの代表がコバクシンを承認するよう圧力をかけてきたとして、国家衛生監督庁(ANVISA)が3月24日に保健省に対して苦情を申し出ていたことなど、新たな疑惑が明らかにされている。

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