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《ブラジル》ボルソナロ大統領=当面は緊急手術不要の判断=投薬などで治療、退院は未定

本人がSNSにあげた入院時の写真(@jairbolsonaro)

 【既報関連】14日朝、腹部の痛みを訴えてブラジリアの軍病院に検査入院後、腸閉塞と診断され、同日中にサンパウロ市の病院に移送されたボルソナロ大統領は、検査後に緊急手術は不要と判断されたが退院日時は不明と、担当医師団が発表したと15日付ブラジル・メディアが一斉に報じている。
 ボルソナロ氏は13日に「しゃっくりが11日も続いている」とぼやいていたが、14日未明に腹部の痛みを覚え、軍病院に検査入院した。
 最初は、ストレスや疲れがたまっているせいで休養が必要とされていたが、軍病院での検査で、胃に大量の水分がたまっている事などが判明。水分を約1リットル抜いた後、サンパウロ市から来たアントニオ・ルイス・マセド医師により、腸閉塞との診断が出た。
 マセド氏は2018年の大統領選のキャンペーン中に暴漢に腹部を刺されて以来、既に4度、ボルソナロ氏の手術を担当しており、腹部の痛みとこれまでに行った手術との関係なども含めた診断が求められた。
 マセド氏は腸閉塞を起こしているとの診断後、より詳細な検査を行った上で緊急手術が必要か否かを判断したいとして、ボルソナロ氏をサンパウロ市の病院に移す事を要請。これを受け急きょ、空軍機による大統領移送が行われた。
 ボルソナロ氏は14日夜、サンパウロ市に到着し、ヴィラ・ノヴァ・スター病院に入院。長男のフラヴィオ上議は14日の内に、医師団が大統領に麻酔をかけて人工呼吸器を装着し、集中治療室に送った事などを明らかにしている。

大統領が入院中のヴィラ・ノヴァ・スター病院(Rovena Rosa/Agencia Brasil)

 ボルソナロ氏の治療を担当する医師団は14日の内に「診察や種々の検査、レントゲンなどの結果、当面は手術を行わず、通常の治療を行う」との方針を発表。
 医師団は15日朝も、大統領は投薬などに「満足のいく反応」を示していると発表。同日夕も「診察、検査で見る限り、経過は良好」とした上で、当初の見通しを維持し、投薬などによる治療を継続するとの方針を確認。ただし、退院許可がいつ出るかはこの時点でも確定していない。
 15日夕方にはミシェレ夫人が、他の患者の傍らに立ち、笑みを浮かべている大統領の写真を、「コストがかかり過ぎる」とのコメントと大笑いしている絵文字と共にをSNSに掲載した。
 15日は、大統領府安全保障室長官のアウグスト・エレノ氏も大統領を見舞い、「今後もいくつかの検査が必要だが、期待以上に回復している」とのメッセージをSNSに掲載している。
 なお、ボルソナロ氏が休職を申請していないため、大統領が入院加療中の大統領職を誰が代行するかは何も発表されていない。大統領の不在時や休職中は、副大統領、下院議長、上院議長、最高裁長官の順で大統領職を代行する事になっている。
 だが、副大統領は14日に予定通り、アンゴラ訪問の途についており、18日まで不在だ。また、下院議長は最高裁の審理対象となっているため、代行する事ができないため、休職申請が出た場合は上院議長が代行との見方が出ているが、同件についてもまだ確定していない。

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