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TCU=アマゾン監視で説明求める=120日間の期限付で政府に

監視体制是正のための行動計画提示を求める事を決めたと報じる21日付UOLサイトの記事の一部

 【既報関連】連邦会計検査院(TCU)が21日、法定アマゾンでの不法伐採などの監視体制を是正するための行動計画を120日以内に提示するよう、連邦政府に要請する事を決めたと同日付現地サイトが報じた。
 現政権の環境政策は諸方面から疑問や批判が出ており、環境監視機関の活動や権限が制限されたりしたため、法定アマゾンなどでの森林伐採や森林火災が増加の一途にある事、先住民の人権が侵害されている事などは国際問題ともなってきた。
 今回の決定は、連邦政府、特にボルソナロ大統領やリカルド・サレス前環境相が発信したメッセージの中に国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)の監視活動を阻害し、不法伐採を促すようなものが含まれている事が明らかになった事などを受けたものだ。

 TCUは、副大統領が議長を務めるアマゾン審議会と環境省の役割についても明確にする必要があると考えている。
 21日の審理では18~20年の連邦政府の政策や行動を扱っており、連邦政府はIbamaと共に、監視活動は非常に大切で、強力に推進されているという事を国民に知らしめるような社会的コミュニケーション戦略を推進する必要がある事も満場一致で決めた。
 ボルソナロ大統領は当選直後から、法定アマゾンでの開発や先住民保護区での採掘などを擁護する立場をとっており、国際的な環境会議の開催中止を求めたりもした。森林伐採に関しては、アマゾン人間・環境院(Imazon)が19日に6月までの11カ月間の森林伐採は前年同期比で51%増え、過去10年間で最大だったと発表するなど、現政権のあり方を問う報道が続いている。

★2021年7月22日《ブラジル》法定アマゾン伐採11カ月間で51%増=現政権での罰金徴収は激減=サレス前環境相の犯罪捜査進む
★2021年5月8日《ブラジル》法定アマゾンの伐採面積は新記録=気候サミットでの約束は?=地球の空調機能に赤信号
★2020年12月2日《ブラジル》法定アマゾン=1万1千平方キロの森林失う=2年連続の1万平方キロ超え=パリ協定時の公約に違反か
★2020年10月23日《ブラジル》森林火災激増中に消防士へ帰還命令=環境院「活動資金尽きた」=現政権へ出し惜しみ批判も

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