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《ブラジル》法定アマゾン伐採11カ月間で51%増=現政権での罰金徴収は激減=サレス前環境相の犯罪捜査進む

連警の捜査が続くサレス前環境相(Jose Cruz/Agencia Brasil)

 4月末に開催された気候変動サミットでボルソナロ大統領が法定アマゾンの不法伐採撲滅などを約束したにも関わらず、アマゾンでの森林伐採拡大は続き、20年8月~今年6月の法定アマゾンの森林伐採は過去10年間で最大となった。
 現政権になってからの違法行為摘発やそれに伴う罰金徴収は激減しており、現政権やサレス前環境相の環境政策に多くの疑問や批判が起きている。
 6月までの11カ月間の法定アマゾンの森林伐採に関する資料はアマゾン人間・環境院(Imazon)が発表したもので、19日付G1サイトなどによると、11カ月間の森林伐採8381平方キロは、前年同期を51%上回る。今年上半期の伐採4014平方キロも10年間で最大だ。
 伐採の61%は私有地や様々な形の所有地で発生。以下、土地なし農民の定住地22%、環境保護区13%、先住民保護区2%となっている。
 Imazonの観測システムは国立宇宙研究所(Inpe)のシステムとは異なるが、このままなら、Inpeが行う7月までの1年間の公式統計で、史上2位だった20年7月までの1年間の1万129平方キロを上回る事は確実だ。過去最多は08年7月までの1万2911平方キロだ。
 16日付G1サイトなどでは、法定アマゾンでは二酸化炭素の吸収量より放出量が多い場所があるとの報告も出ており、法定アマゾンが元の姿に戻れなくなるターニングポイントを超えようとしている可能性がある。

 現政権は法定アマゾンの開発や先住民保護区での鉱物採掘などを擁護しており、環境監視機関への資金提供や調査員数の減少、これらの機関による懲罰適用権が狭められた事は周知の事実だ。
 19日付エスタード紙は、14年は688件あった違法行為による罰金徴収件数が19年は44件、20年は13件に激減とのミナス連邦大学のデータを報道している。
 6月に辞任したリカルド・サレス前環境相の環境政策は内外から批判されていたが、サレス氏や環境省、環境監視機関による不正を捜査している連警は19日、5月に敢行したアクアンドゥーバ作戦後の捜査により、不法伐採した木材を合法的な木材のように見せかけて輸出していた事が判明したと報告した。
 この捜査はブラジルが違法木材を輸出しているとの米国からの摘発を受けて行われ、同国から送付された資料も使用。衛星写真が捉えた不法伐採地からの木材に、伐採から8カ月以上後に公的機関が作った書類を添付し、合法的な木材に見せかけて輸出していたという。
 アクアンドゥーバ作戦は最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事の管轄下で行われ、サレス氏と環境省職員、国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)の院長と職員、製材業者らが捜査対象となった。これらの人物は密輸促進や贈収賄などで捜査を受けている。サレス氏は同作戦直前に不法伐採が盛んで連邦地裁が捜査を命じたパラー州に執務室を移していた。
 アマゾンの違法木材に関しては、連警が昨年末に押収した大量の違法木材を、今年になって返却させられるといった不可解な事態も起きていた。サレス氏の捜査は第1地域裁が担当する。

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