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《ブラジル》コロナ死者が55万人超す=デルタ株感染者は169人に=コバクシンの治験は停止

新型コロナの感染状況を左右するワクチン接種(Fabio Rogorigues Pozzebom/Agencia Brasil)

 保健省が26日、新型コロナ感染症の死者が55万人を超え、デルタ株感染者が169人に増えたと発表したと同日付現地サイトが報じた。
 26日現在の死者は55万502人。50万人を超えた6月19日から37日目で55万人台に達した。30万人から40万人までの36日、40万人から50万人の51日と比べるとかなり減速した。
 死者増が減速傾向にある事は、7日間平均の死者は1107人で、2週間前の1308人や7日前の1276人を大幅に下回る事でも明白だ。7日間平均最多は4月12日で、3124人に達していた。
 感染者や死者の減少、集中治療室の占有率低下に最も寄与しているのはワクチン接種だ。保健省は27日、26日までに2度の接種または1回のみ接種のワクチン接種を終えた人は3793万人で、初回接種のみの人も9633万人を超えたとした上で、6月25日と7月25日の7日間平均を比べると、死者は42%、感染者も40%減少と発表した。26日現在の感染者は1970万7662人、7日間平均は4万5117人だ。
 26日現在の数字から行くと、18歳以上の接種対象者の60%以上が少なくとも1度、接種を受けた事になる。サンパウロ州は最低1度は接種を受けた人が75%を超えたが、2度目の接種を受けていない人も最多だ。

 他方、デルタ株感染者は23日夜の発表時から26人増の169人、死者も13人になった。感染者最多はリオ州の88人のままだが、6人から30人に増えた連邦直轄区が2位、15人のままのサンパウロ州は3位となった。以下、パラナ州13人、マラニョン州7人、サンタカタリーナ州5人、ゴイアス州4人、リオ・グランデ・ド・スル州とペルナンブコ州各3人、ミナス州1人となっている。
 全国ではワクチン不足で初回または初回と2度目の両方の接種を中止せざるをえない自治体が出るといった問題が起きているものの、保健省が配布したワクチンは1億6440万回分に達した。内訳はアストラゼネカ社製8150万回分、コロナバック6040万回分、ファイザー社製1780万回分、ヤンセン社製470万回分だ。
 他方、国家衛生監督庁(Anvisa)は23日、上院議会調査委員会(CPI)で不正疑惑が摘発されたプレシーザ・メジカメントス社が扱っていたインドのバーラト・バイオテック社製ワクチン「コバクシン」の治験の一時停止を決定。26日には治験の正式停止も発表された。
 これは、ブラジル政府が提示したコバクシンの購入契約に関するインボイスが不正なものである事を認めたバーラト社が23日にプレシーザ社との提携を正式に停止した事を受けた判断だ。これにより、プレシーザ社はブラジルでのバーラト社代理人としての立場を失った。
 保健省は既にプレシーザ社を介したコバクシン購入契約を破棄しているが、バーラト社の決定後、Anvisaも緊急使用の審査や輸入許可などを完全に停止した。
 他方、ブラウ・ファルマセウチカは26日、世界保健機関(WHO)傘下のCovaxが扱う中国シノファーム社のワクチンに関する緊急使用の審査要請を提出した。

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