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《ブラジル》ボルバ・ガット放火事件=地裁が犯人の予防拘禁命ず=高等裁の釈放命令の翌日に

 サンパウロ州裁判所は6日、7月にサンパウロ市南部にあるボルバ・ガットの銅像を燃やした実行犯3人の予防拘禁命令を下した。これは前日に高等裁が釈放命令を出したあとに起こった、通常の司法の秩序とは異なるものとしても注目されている。6日付現地サイトが報じている。
 この事件は7月24日、サンパウロ市地下鉄5号線の駅の前に建てられた高さ13メートルのボルバ・ガットの銅像の足元にタイヤを置いて火がつけたというものだ。
 今回の地裁の判断は市警が行った判断によるもので、パウロ・ロベルト・ダ・シウヴァ・リマ(通称パウロ・ガロ、32)、ダニーロ・シウヴァ・オリヴェイラ(通称ビウ、36)、チアゴ・ヴィエイラ・ゼム(35)の3容疑者が勾留延長を求められていた。

 この命令は、前日の5日に高等裁がパウロ・ガロ容疑者の釈放(他の2容疑者はすでに釈放されていた)を命じた次の日に起こった。この時点での同容疑者は10日間の期限付きの身柄拘束で、高等裁は即時釈放を命じたが、サンパウロ州地裁はそれを拒否した上、容疑者3人に対し、期限を切らずに拘束できる予防拘禁命令を出した。
 ボルバ・ガットは17世紀から18世紀にかけての開拓者であるバンデイランテスの一人で、開拓の際に数多くの先住民を惨殺したとの言い伝えがあり、60年代の建立当初から市民の反発が強かった。そうしたこともあり、パウロ・ガロ容疑者の釈放が1日に拒否された事を受け、弁護側は「政治的な判断が働いているのではないか」として、高等裁に控訴していた。

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