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《ブラジル》重武装20人超が深夜に銀行連続襲撃=ドローンで警察監視、ATM爆破に人質を盾に銃撃も

車の屋根やボンネットの上に縛り付けられて、警察からの銃撃を避ける人質にされた通行人の様子を報じる8月30日付メトロポレス・サイト

 30日深夜0時過ぎ、約10台の車に分譲した20人以上の重武装した強盗団が、サンパウロ州アラサトゥーバ市中心部に立ち並ぶ銀行3軒を約2時間がかりで次々に襲い、町中がパニックに陥った。近隣住民が人質とされた上、数多くの爆破行為や銃撃戦などが行われた末、3人が死亡、5人が重傷を負う惨事となった。30日付現地サイトが報じている。
 サンパウロ州北西部の人口20万人の中核都市アラサトゥーバが恐怖に包まれた。発端はルイ・バルボーザ広場近くで、20人ほどの強盗団がサフラ、ブラジル、連邦貯蓄(CAIXA)の三つの銀行支店の現金引き落とし機(ATM)を襲ったことにあった。
 犯人たちは10台の車で移動し、通りにいた人たちを捕まえて人質にし、車の屋根やボンネットに乗せて、警察からの銃撃を避ける盾代わりにした。警察によると、犯人たちはドローンを使って警察の所在や自分たちの位置を確認していたという。
 強盗団は少なくとも14カ所で爆破行為を行った。市内20カ所に40の爆発物を仕掛けたとの通報を受けた警察が特殊戦術行動グループ(Gate)を派遣し、爆発物の処理を行う一方、外出しないよう市民に警告を流した。

事件を伝える報道(Twitter)

 この事件は事件発生直後からSNS上で話題となり、強盗たちが警察と銃撃戦を行う様子をSNSに投稿するために録画していて銃弾を浴びた住民もいた。
 住民2人と強盗団の1人が死亡。強盗3人が逮捕された。住民5人がサンタカーザ病院に運ばれ、1人はケガの治療後に退院した。だが4人は重傷で入院しており、うち3人は銃弾を浴びたが容体は安定している。もう一人、25歳の男性は自転車で走行中に爆発に巻き込まれて、両足と手の指を失う大ケガを負い、手術後も酸素吸入などを受けているという。
 犯人はなおも逃走を続けている。アラサトゥーバ市は夜が明けた後、市民感情などを考慮し、同日は市立校の授業を中止すると発表。州立校もそれにならった。
 同市では、爆発物が爆破した後の処理や、仕掛けられた爆発物処理の必要のため、商店や保健所が休業状態となった。また、同市から周辺地域へのコロナワクチンの配布も止まったため、ビリグイ市でも接種が中止された。

★2021年12月9日《ブラジル》サンタカタリーナ州=銀行強盗被害は約16億円相当=7日までに12人を逮捕
★2020年12月2日《ブラジル》重武装した約40人が銀行強盗=爆薬数十キロとヘリコプター落とせる重火器
★2020年11月25日《サンパウロ州内陸部》重武装20人組が銀行強盗=深夜に警察と激しい銃撃戦
★2020年8月1日《ブラジル》重武装強盗団40人が銀行襲撃=警察と銃撃戦に

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