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オンライン授業と対面は共存できる=パンデミック後の日本語教育は《3》=ピラール・ド・スール日本語学校教師  渡辺 久洋

運動会の出し物(提供写真)

運動会の出し物(提供写真)

 今「Pos継承日本語教育」をオンライン授業で行っている日本語学校では、そうするしかありません。パンデミック後も「オンライン授業」を続けていくとしたら、その面の教育を大きく犠牲にしてでも、学習者に与えることのできる新たな有益なことを見出した場合であるべきです。
 自分の中では見出すことができないのですが、もしそういう学校や教師がいたら、純粋に興味がありますし考え方も広がりますので、ぜひ教えてしいと思います。
 教育に関しては、いくらネットで簡単に知識が得られるようになろうとも、それによって「現場」がなくなることは決してないです。あってはならないですし、もし子ども対象の日本語学校で「オンライン授業」だけにしてしまうのであれば、それはもはや「Pos継承日本語教育」ではなく、別の種類の日本語学校になってしまいます。
 聖南西地区では去年、林間学校や青空スポーツ教室、低学年デイキャンプといった交流行事がすべて中止になり、生徒は非常にがっかりしました。林間学校がなくなって学校をやめた生徒がいる学校もありました。
 他校の生徒との交流行事がいかに日本語学校を続ける楽しみ、日本語を勉強するモチベーションになっていたかが改めて重く実感しました。今年、13歳以上の在校生また去年学校を出た元生徒を対象にオンライン交流会を2回行いました。
 皆大いに楽しんだのですが、それはネットを介した画面上とはいえ1年ぶりに仲間と再会できて交流できたことが理由です。ですが、1日中(あるいは3日間)実際に顔を合わせ、いろいろな活動をしながら、友達と話したり新しい友達ができたりする従来の対面式行事と比べたら、楽しさの度合いや日本語学校に通うモチベーションへの影響、学習効果が格段に異なります。
 昨年、オンラインで南米やヨーロッパの十数校の日本語学校が一堂に会し、学校紹介や交流を行うイベントに2回参加しました。ですが、時間が3時間と短く、画面越しの顔を見ることしかできないので、学習者同士の交流にはほとんどならなかったです。
 これが成人や非常に積極的な性格の生徒であれば、すぐに相手に興味を持ちお互いに言葉を交わしていく中である程度の交流にはなったのかもしれません。しかし大半の子どもは成人と違い、初対面の人に興味を持ち、恥ずかしがらずにいきなり話をして楽しもうとすることはできません。一緒に何かの活動をしながら言葉を交わし、相手を知り仲良くなっていき、そうやって成長していくものです。
 生徒の様子をしっかりと観察し、こういったことを理解していれば、子どもに対する「対面授業」の必要性・必然性は言わずもがなで、「オンライン授業」に移行するという発想はちょっと考えづらいです。(続く)

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