8月31日でジウマ大統領の罷免から5年が経過した。その間、ブラジルにもたらされた「成長」は果たしてあったのかどうか。
今、振り返っても、あのときの罷免が仮になかったとしても、労働者党(PT)政権は終わっていたような気がコラム子にはしている。2013年のサッカーのコンフェデ杯のときの連日のデモとラヴァ・ジャット(LJ)作戦で国民の欲求不満は頂点に達していたし、そうした怒れる国民をなだめるだけの経済成長も期待できなくなっていた。2003年からの長期政権にほころびがあったことは事実だろう。
だが、その政権を終わらすためのやり方を思い返すに、やはり空しさしか残らないのがコラム子の本音だ。「果たしてあのとき、〝政権交代〟を叫んで立ち上がった人たちが求めていたのは本当に〝正義〟だったのか」。そう考えたときにハッキリと「ノー」としか言えないからだ。