ホーム | 日系社会ニュース | 50年ぶりの祖国で浦島太郎(14)=サンパウロ市 広橋勝造=南半球慣れ

50年ぶりの祖国で浦島太郎(14)=サンパウロ市 広橋勝造=南半球慣れ

電車に乗る人々(photoBさん、写真ACより)

電車に乗る人々(photoBさん、写真ACより)

 山手線の何駅か忘れたが、発車しようとしていた電車に駆け込んだ。
 座席は満員だったが立席はかなり余裕があった。入口ドア近くの鉄棒を握って出発に備えた。
 「ガダン!」と逆の方向に動き始めたように感じた。確かにホームの案内看板の「何々方面」に従って正しい方向の電車に乗った、と確信していたので大驚きだ!
 俺「うぁ~! エヘイ(間違えた)!!」
 余りの驚きで無意識に大きな声を出してしまった。その声を聴いた周りのお客さん達は、何処か普通でない雰囲気を持つ俺の突然の大声で、俺以上にびっくりして2、3人が飛び上がった。カバンを落とした人が1人いた。
 多分、彼等は突然狂人が暴れだしたと思ったのでは・・・、俺は約束の時間に間に合わなくなったと思い、電車に飛び乗った事に後悔しながら、恥ずかしくて顔を上げられなかった。
 電車はスピードを上げ車内アナウンスを始めた。
 「次は○○駅、○○駅です。出入口は右側です。お降りの際はホームが△ですのでお気を付けください」
 「あれっ、○○駅!?」――意外だ。俺が行きたい方向じゃないか。これで合ってるんだよなと不思議に思った。
 この電車の出発時の驚きがブラジル帰国まで何度か続いた。
 この不思議な現象の原因が分かった。それは俺の体に染み付いている「南半球の太陽は北にある事」だった。だから東西が逆で、西に行くのに東に行く様に体が感じ、電車出発時に驚いていたのだ。日本人に被害を与えなかった事が幸いだ。

 

 

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