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沖縄県人会が母県に511万円寄付=「首里城再建に役立てて!」=琉球王国のシンボル復元へ

授与式の様子(沖縄テレビ放送)

授与式の様子(沖縄テレビ放送・県人会提供画像)

 「ブラジル沖縄県人が一丸となって集めたこの511万円を、少しでも早く首里城再建に役立ててほしい」――11日に来社したブラジル沖縄県人会の高良律正(りつただ)会長はそう語った。同県人会は2019年11月から同寄付を募り始め、約500万円が集まったところで、玉城デニー沖縄県知事に対してオンライン贈呈式を7日に行った。その様子は、母県の地元テレビや新聞でも大きく報道された。

 沖縄県那覇市にある首里城で19年10月31日、大規模な火災が発生。正殿と北殿、南殿を含む計7棟が全焼し、琉球王国のシンボルが焼失したことで、世界中の沖縄県人が悲しみに打ちひしがれた。
 同県人会は火災が発生した直後の12月から、首里城再建チャリティーイベント「ちばりよーうちなー(頑張れ、沖縄)~皆で首里城の再建を~」を開催し、募金を呼びかけ始めた。その後、コツコツと呼びかけを続けるうちに約25万レアル、日本円で約511万円が集まった。
 島袋栄喜元会長は、「他県人の方はもちろん、ブラジル人からも多数ご寄付を頂いた。ぜひその報告をしたい」と来社した理由を説明した。

オンラインでブラジル側と懇談する玉城知事(右、沖縄テレビ放送)

オンラインでブラジル側と懇談する玉城知事(右、沖縄テレビ放送)

 同授与式では、母県側からは玉城県知事や沖縄ブラジル協会の西原篤一会長が出席。ブラジル側からは高良会長、上原テリオ副会長、島袋元会長がオンラインで参加した。当日は、西原会長が高良会長に代わって知事に封筒を渡した。
 高良会長はその際、「世界遺産で沖縄の誇りの首里城が全焼し、ブラジルの沖縄県人も大きな衝撃と悲しみをうけました。ですが、『ブラジルうちなーんちゅ』が心を一つにしてこの寄付金を集めました。沖縄の誇りである首里城再建のため、この支援金をどうぞお受け取りください」と述べた。
 玉城知事は、「火災の時、首里城と一緒に貴重な文化遺産や資料が失われ、その喪失感に襲われたことは、今でも覚えています。当時の『琉球王国のシンボルである首里城を必ず復元させる』といった思いは、今でも変わりません。国と連携しながら、一日でも早く復元できるよう取り組んでいき、今回いただいた寄付金については、首里城の正殿などの復元に活用させていただきます。本当にありがとうございます」と感謝の言葉を述べた。

来社したブラジル沖縄県人会の一行

来社したブラジル沖縄県人会の一行

 

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