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《ブラジル》20年の温室効果ガス排出量は06年以来で最大=他国の傾向とは完全に逆行

森林火災で燃えるアマゾン熱帯雨林の様子(2019年8月25日、ESA / NASA – L. Parmitano)

 全世界で温室効果ガスの排出量が減少傾向にある中、ブラジルが2020年に2006年以来最大の排出量を記録したと、28日付現地サイトが報じている。
 これは、環境団体「気候観測所(Observatorio do Clima)」による、温室効果ガス排出量推定システム(SEEG)の最新調査結果で明らかになった。
 SEEGコーディネーターのタッソ・アゼヴェド氏によると、「ブラジルでは1990年から2003年まで温室効果ガスの排出が増え続けていた。2004年から2010年にかけては大幅な排出削減が行われたが、それ以降はまた排出量が増え続けており、2019~20年にはさらに急増した。これにより、20年の排出量は2006年以降、最大となった」という。

 世界全体で見ると、20年は前年比で7%の温室効果ガスの排出削減が行われたが、ブラジルは9・5%増えていた。また、2010年比では排出量が23・2%増えているという。
 パリ協定の課題では、世界全体で2021年から30年にかけて、毎年7・6%以上排出量を減少させる必要があるとされている。
 SEEGによると、ブラジルでは農業部門と廃棄物、土地利用の変化の3項目で温室効果ガスの排出が増えていたという。土地利用の変化は森林伐採などが含まれる。

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