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《ブラジル》秘密予算限度額を両院承認=年に162億レアルも

 11月29日、連邦議会で「秘密予算」と呼ばれる、予算案審議の際の報告官の裁量で支出できる予算の1年間の支出限度額を定めるための法案が下院、上院で共に承認されたが、限度額が年162億レアルと高額なことが問題視されている。11月29、30日付現地紙、サイトが報じている。
 秘密予算は、各議員が提出したプロジェクトに応じ、報告官が支出額を決めることができるため、大事な法案を審議する直前に議員たちが出したプロジェクトへの予算支出を認めるという形での票集めが行われてきた。
 だが、この支出額が高額で、「公然と認められた賄賂」とメディアや大衆から強い批判が生じていた。

 2021年は、96億レアルと73億レアルの、計169億レアルが払われていた。とりわけ、プレカトリオ(裁判所が命じた賠償金など)の支払いに関する憲法補足法案(PEC)が審議される直前に払われたものに関しては、最高裁が差し止め命令を出した。
 そこで、最高裁からの差し止め命令を覆すために透明性を高めようとして、限度額を求める法案が浮上した。だが、その限度額は年162億レアルと非常に緩いものとなった。
 野党側は、この法案ではまだ、透明性にかけると主張したが、11月29日に行われた下院の審議では、賛成268、反対31の投票結果で通過。上院は接戦となったが、最終的に、賛成34、反対32で通過した。

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