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繁田一家の残党=ハナブサ アキラ=(28)

 ワイは、既に1971年の「財界」誌に寄稿し“後継者が居ないので居座わる”と嘯く当時の川又克二社長に対し、後継者を育てなかった非を糾弾。
 GM副社長からフォード社長に転じたシモーヌ・クヌードセンを、ワードウエル・ハウエル・アソシエーツを介してスカウトすれば、トヨタ追撃に成功すると提言した。社内から自分が社長になれると信じていたアイアコッカが、外部から入ったクヌードセン社長の更迭をフォード会長に迫り追い落としたあの時機は、日産にとっては絶好のチャンスであったのに、なんと30年も遅れて、ワイの提言どおりの人事を施行し成功した。
 ワイの知る限り、世界に通用する日本人は、指揮者の小沢征爾と紅花のロッキー・青木ぐらいのもんや。不良債権をかかえる瑞穂グループやリソナ銀行の幹部などは、絞首刑に値する重罪人同然。
 不況ニッポンの元凶は殆んどが東大卒だから、東大を廃校にすれば、日本の再興は可能かもしれない。もはや、現在の日本に東大のレゾンデトールはない。
 幾多の英才を輩出した東京開成校、東京帝大、東大の役割は既に終わった。
 もっとも博士課程は象牙の塔として残し、学者の養成には役立つかも知れないが・・・。クレヨン晋ちゃんもアホみたいな念仏ばかり唱えんで、教育基本法改正りも、この構造改革を真っ先にやりなはれ。
 もっとも、コンドラチェフの波は50年の周期を待つ他に打つ手は無いかも知れないと云うより、事態は益々悪くなり末世。
 いよいよ船はリオに入港、興奮で眠れず、暗いうちから湾内を航行する甲板から夢にまで見たポンデアスーカル(英語ではシュガーローフ)の島影を見たが、睡魔には勝てず接岸通関中に船室に戻り寝てしまった。
 目が覚めると既に陽は高く、港で会う筈の真木昌氏は帰った後、タクシーをとばして目を見張るばかり素晴らしい景観のラッパからフラメンゴにかけて海岸通を走り、リオでも絶景のボタフォーゴにある同氏の指圧治療院を訪ねた。
 水連会長の古橋さんからは、ブラジル水連会長のパジリア少佐に会うよう云われたが、日本語の話せる真木さんに先ず相談した。
 「サンパウロにも沢山アミーゴが居るので困ったら、いつでも連絡しなさい」と激励されたが、後であれほどお世話になるとは、その時には思いもしなかった。ワイは後年カナダに移住し、大陸時報に「ブラジル移民珍商売」を連載し、指圧で財を成した同氏の偉業を紹介したが、大本教信者のドットール真木は患者に神棚を拝ませ信心しないと治療せず、近代医学に見放された多数の患者、特にラセルダ知事の難病を完治させて名声を得て、成功のきっかけとなった。
 ドットールの偉いところは、直るまでは患者から治療費を受け取らない。ちなみに、アメリカでは医者にかかると容態を訊くよりも先に、いきなりHow to pay? 
 何ヶ月も指圧に通い直らない患者は、気の毒に感じ「ドットール、金を受け取ってください」と申し出ても、真木さんは方針を変えない。患者はまるで申し合わせたように先生に土地を寄贈し、往年のフジヤマの飛び魚はブラジル有数の大地主となった。

 

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