ホーム | 日系社会ニュース | ロンドリーナ=パラナ川柳界の草分け=瀬古義信さん偲ぶ追悼吟

ロンドリーナ=パラナ川柳界の草分け=瀬古義信さん偲ぶ追悼吟

ニッケイ新聞 2009年8月6日付け

 【ロンドリーナ発】川柳の親和会を主宰し、ロンドリーナ西本願寺会長、ニッケイ柳壇の選者、全伯川柳大会の特定選者なども務め、五月十三日に亡くなった故瀬古義信さん(享年九十六歳)の四十九日法要が六月二十七日、ロンドリーナ西本願寺で行われ、約百五十人が参列し、故人を偲んだ。
 生前瀬古さんから指導を受けていた親和川柳吟社、ロンドリーナ女流句会、サンパウロ新生吟社の会員ら三十人が四十の追悼吟を本紙に寄せた。
 瀬古さんは一九七四年、有志ら九人で親和会を設立。「親和」は手を繋いで歩こう、という意味を込めた。
 第一回目の課題は「歩」で、実際に九人で歩いたという。第百回句会を数えた八二年には三人の創立メンバーが残っていた。現在の会員は二十六人。瀬古さんは唯一健在な創立メンバーだった。
 瀬古さんから指導を受けていたローランジャ川柳会には十人の会員がおり、百一歳の長谷とみえさんは現在でも元気に投句をしている。さらに、ロンドリーナ女流句会は西本願寺の婦人部が主体となって活動しており、メンバーは八人。現在も瀬古さんの教えを守りつつ、活動中だという。
 追悼吟の一部、作者は次の通り。 (敬称略)【親和川柳吟社】
 川柳の巨星瀬古師を追悼す     塩沢婦美
 み仏の後へとぽっつり雨に逝く    今立帰
 川柳を愛し育てた瀬古恩師    荒井真砂尾【ロンドリーナ女流句会】
 昇天の恩師のみ魂幸よあれ    石垣みさを
 師の遺影一句捧げてす追慕     沼田利子
 惜しまれて急ぐ恩師は永遠の旅   木村照恵【サンパウロ新生吟社】
 温顔を偲べばきこえる千の風   柿嶋さだ子
 赤土に育ち学んで今朝の露     平谷伊佐
 足跡を句碑に残して永遠の旅    藤倉澄湖
  (中川芳則通信員)

image_print