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石川県人会文化祭=陶芸、絵手紙など多彩に=サンパウロ市=文化活動満喫した2日間=ワークショップも人気

ニッケイ新聞 2008年10月10日付け

 ブラジル石川県人会(小堀勇ジェラルド会長)は、四、五日の両日午前十時から「第九回県人会文化祭」を同会館で開催した。両日で二百人以上が会場を訪れ、同県人会の様々な文化活動に触れた。終日行われた絵手紙のワークショップは子どもから大人まで気軽に体験でき好評だった。
 四日は小堀会長のあいさつで開会。来場者に軽食が振舞われ、会場裏では婦人部と青年部により賑やかに餅つき会が行われ、和気藹々とした雰囲気で文化祭は始まった。
 会場では、同県人会陶芸部が自前の窯で焼いた食器や茶器などが展示販売され、同水彩画グループで教える中島岩雄さんや黒田やす子さんらの作品約二十点、同俳句グループによる九句、ブラジル池の坊の河村徳子さんらによる四作品、サンパウロ絵手紙愛好者グループによる絵手紙二百点以上が飾られた。色とりどりの作品は来場者の目を楽しませていた。
 今回、絵手紙グループが出張指導する老ク連会員の作品や絵手紙の生みの親とされる書道家、小池邦夫さんやブラジルに絵手紙を普及した画家、小林美恵さんの作品も展示され、個性光る諸作品を前に写真撮影をする姿もあった。
 村上佳和さん(広島、67)、ことじさん(広島、64)夫妻は、絵手紙グループの合言葉「へたでいい、へたがいい」に惹かれ絵手紙歴二年。絵には無縁だった佳和さんは今ではその虜になったように、「わしでもできる。意外とうまく書けるんだよ」と魅力を話す。
 四日午前十一時からは、同県人会宝生流謡の山下譲二さんら五人が謡曲「紅葉狩」を披露。発表者たちは始めに謡い方や基本の服装を説明し、抑揚のある声で平維茂が鬼女を退治する話を見事に謡った。
 絵手紙のワークショップでは、石井恵子代表や菊地由美子さん、江坂園江さんの指導によって両終日、多くの人が体験。葉書サイズの紙に、割り箸と筆で思い思いのうちに絵や言葉を書き楽しんでいた。
 石井さんは「決まりは書いたらポストだけ」と指導。両親と一緒に来場した林ちはるちゃん(8)、りのちゃん(6)は花やマンゴーの絵を書き、「楽しかった」と満面の笑み。気軽にできる魅力を家族で堪能したようだ。
 また、四日午後二時から行われた陶芸のワークショップには約十五人が参加し、講師の佐藤正行さんがろくろで花器や茶碗を象ってゆく姿に見入っていた。
 同県人会では、俳句、謡曲、陶芸、生け花、水彩画、絵手紙、日本語教室を開いている。絵手紙は出張指導も行っている。問い合わせは同会(電話=11・3884・8698)まで。

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