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ロンドリーナ100年祭委員会に=レアル銀行、後援費として25万レ=「中川トミ広場」建設に充当=先人の足跡伝える事業を

ニッケイ新聞 2007年12月5日付け

 パラナ州ロンドリーナ移民百年祭式祭典委員会(吉井篤委員長)は、先月三十日、同市内セントラル・ルビアセアの会館で第六回定期総会を開き、同委員会が計画する中川トミ広場(Praca Tomi Nagkagawa)内の記念モニュメント建設後援費用として、レアル銀行(旧スダメリス)から二十五万レアルの目録を受け取った。同広場建設事業に加え、来年六月には五日間の記念祭典イベントを計画する同委員会。吉井委員長は「後世の日系社会に先人の苦労と足跡を伝える事業として成功させたい」と力強く語っている。

 同市の百周年組織委員会は昨年発足。ACEL(ロンドリーナ文化体育協会)を中心に、同市や近郊にある約七十の日系団体の代表者で組織される。同総会には関係者約二百人が参加し、各プロジェクトの進ちょく状況を確認しあった。
 レアル銀行は、同広場建設事業のほかにも今年、同州マリンガ市の日本庭園建設事業にも同じく二十五万レアルを後援している。この日、吉井委員長に目録を手渡した中川マルシア同銀総務課長は「顧客の多い日系社会との絆を今後とも深めていきたい」と述べた。
 同銀行につづいて、ロンドリーナ電話公社が五万レアル、ブラジル古河電工社の代表者が一万五千レアルの目録を吉井委員長に手渡した。このほか個人の篤志家が数百レアルずつ寄附した。
 中川トミ広場の建設は、市内中心部の約一万平米の敷地を予定。昨年十月に死去した最後の笠戸丸移民、中川トミさんの名を冠しており、すでに市議会の承認を受けている。
 同広場のメイン建造物となるのは造形作家・豊田豊氏による高さ二十二メートルの記念モニュメント。広場とあわせて来年六月の完成を目指す予定だ。
 記念祭典は、来年六月十八日から二十二日までの五日間を予定。同市内郊外にあるメイ・ブラガ展示会場で開催し、式典は同二十二日に同地でおこなう。
 同祭典は「EXPO移民百ロンドリーナ2008」と題して実施。「ブラジル社会における日系の融合と発展」をテーマに農工商部門の品評会を行うもので、各種農産品や日本の伝統工芸品の紹介をはじめ、太鼓やカラオケ、YOSAKOIソーラン、盆踊り、アニメなど、ブラジル文化に〃統合〃された日本文化も多様に紹介する。中でもトヨタなどの協力を得ておこなうロボットショーは祭典の目玉になるという。
 一連の祭典開催費は約二百五十万レアル。中川トミ広場の建設費は記念モニュメント代を含めて百七十六万七千レアル。吉井委員長は「イベント開催での利益を貯めたり、企業に後援費をお願いして資金を工面していきたい」と話す。
 このほか来年には「劇団1980」や日本のプロオペラ団「オペラ季節館」による記念公演、日本高校野球選抜チームや日本都市対抗野球優勝チームの来伯親善試合など、多様な祭典関係行事を予定している。
 州、市レベルで着々と計画をすすめるパラナ日系社会。「百周年まであと半年に迫った」と吉井会長は総会のあいさつで述べ、一連の事業の具体化にむけて強い意思を示していた。

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