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和太鼓の響き、魂打つ=「樂鼓座」アチバイアで演奏

2月4日(金)

 和太鼓の響きがアチバイア市民の心、魂を打った――去る一月二十一日夜、アチバイア文協(辻修平会長)主催、市役所後援による日本川筋太鼓保存会「楽鼓座」代表、小田幸久氏率いる八人のメンバーによる和太鼓演奏会、テーマ「夢、希望、未来へ」が文化シネマ館で行われた。五百五十席は満席、演奏を聴いた聴観衆のなかには涙を浮かべる人もいた。
 演奏会は、アチバイア文協の和太鼓部、青山明政部長(文協副会長)と、二年半にわたりブラジル国内広く和太鼓を指導したJICA派遣のシニアボランティア小田幸久氏との太鼓を通じての師弟関係、友情、信頼、熱意が結晶になって実現したもの。国際交流基金が助成した。
 小田氏は、ブラジル滞在中、各地に四十以上の太鼓教室をつくった。およそ三千人の生徒たちを育成。今回の氏の一座を率いてのブラジルの旅は、生徒、弟子たちとの再会、ワークショップと五カ所での一般公演が目的だった。
 公演の第一部。文協の「川筋清流太鼓」(部員四十三人)の子供、青年による「キオツケ」「礼」「よろしくお願いします」のあいさつに始まり、「ありがとうございました」に終わるきびきびした態度は、「これまで、良く育った」という感銘、感動を聴観衆に与えた。
 第二部は「楽鼓座」の演奏だった。動/静、強/弱、速/遅と変化に富んだ切れ味のよいバチさばき、笛、三味線、太鼓との調和、音色、響きは人々の五臓六腑を打ち、ゆさぶり、しびれさせた。
 収益の一部は、サンタカーザ病院へ寄付されるという。

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