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海外移住者の権利実現を=全移住者に敬老祝い金=高倉さん訴え、参院選へ=まず選挙人登録急ごう

 

2月3日(火)

 敬老祝い金を全移住者に!――。今年七月に予定されている参議院選挙に立候補予定の高倉道男さん(六三、パラグアイ在住、日系ジャーナル社主)が二十八日に来伯し、選挙への理解と協力を訴えた。敬老祝い金以外にも、デカセギの権利擁護、小選挙区選挙権、海外選挙区の実現(被選挙権)など、様々な在外者の声を代弁する形で、七月の参議院選挙に立候補する。通常国会が長引かない場合、選挙公示が六月二十四日、投票は七月十一日になりそうだ。今月末から日本で選挙活動を開始する高倉さんに、意気込みを聞いてみた。

 高倉さんは訴える。「パスポートを持っているから日本人として認められている、と考えるのは間違いです。我々、海外在住者は選挙権も半分しかない、敬老祝い金も大半がもらってないと、ないない尽くし。外国へ出たら、日本人扱いされていないのが現実なんです」。
 在外選挙は比例代表区しか認められず、現状では、小選挙区への投票は認められていない。それを高倉さんは〃半分〃と表現する。また、県連資料によれば、宮城、秋田、愛知、奈良では各県人会を通して、一万円から一万五千円程度の敬老祝い金(老人福祉金という県もある)を年に一回支給して、県人高齢者を喜ばせている。「同様のことが、国全体で出来ないかと呼びかけたい」と高倉さんは力を込める。
 「そのためには、まず在外選挙人登録者数を増やさないと、日本側に相手にされない。〃数は力なり〃です。みなさん、ぜひ在外選挙人登録をして下さい」と呼びかける。通常国会が長引かない場合、参院選挙は六月二十四日公示で、七月十一日投票という線で日程が固まりつつある。つまり、まだ登録してない人は、すぐに登録作業を始めないと間に合わなくなる可能性がでてきた。
 高倉さんは三日にパラグアイへ帰国し、アルゼンチン・ブエノスアイレス市、北米ロスなどに立ち寄って協力を呼びかけ、日本での選挙運動に入る。「オートバイか何かで、北海道から各地を回っていくつもりです。駅前説法、辻説法で意見を訴え、みなさんの関心を呼び起こそうと考えています」。
 「前回投票された方でも、投票日ギリギリに郵送した場合、自分の投票が有効だったかどうか確認できない。その辺の問題も訴えていきます」。
 高倉さんの主な主張は次の通り。(1)在外選挙関連では、登録手続きの簡素化、投票方法の改善、小選挙区選挙権の獲得、海外選挙区の実現(被選挙権の獲得)。(2)在外被爆者の日本国内居住者と同等の権利保証。(3)在外者への老人福祉金の支給実現。(4)日系二、三世の日本就労ビザ取得義務を廃止し、ノービザとする。(5)デカセギ就労者の各種人権問題擁護。(6)海外に対する総合的な日本文化戦略の確立。日本語教育、日本文化紹介事業、各種文化交流事業、各種交換留学制度の確立、ジャパン・インターナショナルスクール建設。(7)日本企業の誘致など。

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