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文芸

三上治子さんおめでとう=サンパウロ 平間浩二

  6月19日、サンパウロ日伯援護協会・サントス厚生ホームに入居されている三上治子さん(94歳)が、この度、楽書倶楽部に寄稿された随筆を一冊の本に纏められ『徒然なるままに』という随筆集を出版された。  その出版記念祝賀会をしてあげようと、JICAより当ホームに派遣されているシニアボランテイアの与那覇順子さんの発案で100人分の「 ...

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道のない道=村上尚子=(1)

パラグアイへ  気の遠くなるような広大な地に、私は立っている。  ここはパラグアイにあるペドロ・ホワン・カバレイロという地区である。ブラジルとの国境のある町、ポンタポラン市から、更に十五キロメートル奥にある、コーヒー園である。  私たち家族は、四十代の父母、十九歳の私、夫の茂夫二十一歳、弟保明十七歳、そしてあと、妹町枝十歳、弟、 ...

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実録小説=勝ち組=かんばら ひろし=(23)

 やがてみどりの椰子の葉や白いバラの花で飾られた通路を通って、旧都オウロプレットからの聖火が到着した。  大統領の手によってこれが火籠に移されると、聖火がパッと生き物の様に燃え上がった。  やがて、この火が幾つかの十能に取り分けられ、ゴラール大統領、小阪日本代表、ビント・ミナス州知事らによって高炉内に投入された。  この瞬間を待 ...

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実録小説=勝ち組=かんばら ひろし=(22)

「ウン、今日は24日、今夜中につけばすぐはめ込みの調整をして、あと、水や電気の接続、配管をして、テスト運転も出来る。25日中には何とか準備出来るだろう」 「そうだな、招待客がつめかける26日当日に、組み付けやテストは出来ないからな」  二人はこの先、火入れ式までの手順をいろいろと話し合った。  外はどんよりとして暗い。行き交う車 ...

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ニッケイ俳壇(905)=富重久子 選

サンカルロス        富岡 絹子 顔洗ふ猫の朝(あした)や春隣 【猫を飼っていると、よくこの句のような猫の朝の仕種を見るが、縁側や出窓の日当たりのよいところで、丹念に顔を何回も前足で拭いながら気持ちよさそうにしている。 季語の「春隣」は、「春近し」と同じでもうすぐそこまで春が近づいている様子であって、春を待つ〝冬の季語〟で ...

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『日本文化3巻』販売開始=ブラジルが見習うべき8編を収録=日本の精神、日系の次世代へ

第3巻の表紙。トヨタ創業、命のビザに米百俵。特筆すべき精神を表した逸話を多数収録した

 サンパウロ青年図書館とニッケイ新聞は12日、『日本文化(Cultura Japonesa)』の第3巻を刊行した。同書は毎週土曜日に好評掲載中の「国際派日本人養成講座」の内容を中心に日本独自の精神性や文化、歴史を紹介している。今回は全8編を収録した。  企業の創設に焦点を当てた【日本の企業文化】では、日本自動車産業の生みの親とも ...

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実録小説=勝ち組=かんばら ひろし=(21)

 二人はこれは有ると直感した。ここで入手出来るなら、金には代えられない値打ちだ。でも足元を見られて法外の金を払うこともない。それに破損状況や何個あるかにもよる。 「物によるんだ。有るならとに角現物を見せてくれ。こっちの希望通りのものなら、カネはいくらでも払う」  ゼーは二人を屋外の置き場ではなく、物置の方へ案内した。暗い中で部屋 ...

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ニッケイ俳壇(904)=星野瞳 選

アリアンサ         新津 稚鴎 煮こごりや義務の如くに飯を食ふ 海暮れてかりがねに遠き星一つ 馬に乗ってから霜消しを所望せる 諦めは安らぎに似て寒夕焼 大根抜きし穴に夕風吹き初めし 秋耕の老にアヌーのつきまとひ 【作者は移民ではなく一人で来てアリアンサに自分の思うままに住みつき、思うままに自分の天地を生り、たとえばチーク ...

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日系文学会が出版記念会=『奥の細道』など3冊

 ブラジル日系文学会(武本憲二会長)は24日(土)午後1時半から4時まで、サンパウロ市の文協ビル9階にあるブラジル日本移民史料館で出版記念パーティを行なう。  刊行されるのは『Celebração』(武本文学賞ハイカイ入選作品選集)、『奥の細道』(日伯両語、原作=松尾芭蕉、訳者=柴門明子)、『三つの時間』(日伯両語、短歌選集、作 ...

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実録小説=勝ち組=かんばら ひろし=(20)

「銅製品のスクラップが有ったら見せて貰いたいんだが」 「最近銅製品を売りにきた者はいないかね。こんな丸い形をしたものなんだが」  勝次と三郎はベロオリゾンテの古鉄銅屋を一軒一軒訪ねて回った。  前夜遅くホテルに着いてからすぐ電話帳でスクラップ業屋を拾い出しリストを作って、あたり始めていたのである。電話では相手の表情も掴めないし、 ...

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