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オーリャ!

コラム オーリャ!

 文協美術館で開催中のペルー日系人絵画展『幸福への道』で、セミヌードのインディオの女性の絵が目にとまった。描いたのは八年前に病気で右半身の動きを失った、喜舎場セイユウさん(二世、68)。  「『生き方の質』はどんな状態からでもよくできる」。支えてくれていた妻を失い、三年間は家に閉じこもっていたが、リハビリのために始めた絵画を通し ...

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 あれも禁止、これも禁止。リオデジャネイロがおかしい。  先日訪ねたときのこと。行きつけの老舗バーでいつものようにタバコを吸おうとしたら、「ごめん。お上の取り決めでさ、飲食店内は全面禁煙になったんだ」と。  ま、それは時代の流れかと納得したが、今回ばかりは理解に苦しむ。水着女性の絵はがきの販売禁止案が州議会で可決されたという話だ ...

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 「ふるさと」の定義は難しい。特に移民は、自分が生まれた日本が必ずしもふるさとになるわけではない。  「やっぱり一番初めに入植したところがふるさとよ。何もないところから木を切って開拓して・・・」。日本に帰りたいという想いもあったが、今は家族のいるブラジルが故郷らしい。  そうかと思えば「ふるさとを探しています。日本も、はじめに入 ...

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 ロッテに惨敗を喫したトラには、あまり興味がなかったが、フーテンの方に最近はまっている。  正直、昔は嫌っていたといってもいい。人情、家族愛などの湿っぽい感じも苦手に感じたし、古典落語に通じるワンパターンさも見る気をなえさせた。  コロニアにいるせいか、年齢のせいか知らないが、典型日本を見ようと貸しビデオ屋で一本手に取ったのが運 ...

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 「日系人もたくさん入ってくれれば」。州立校などで活動しているNGO団体「エスクレーヴェ・ベレーザ」の代表、チバナ・ロザナさんはそうこぼした。  ボランティアの登録者数は千人を超えているが、日系人の割合は数%に留まっているという。コロニアの人口比を考えれば、それが妥当なせんなのかもしれない。  しかし、トップに立っているのは三世 ...

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 「国際的人材を秋田から輩出したい」という寺田典城(すけしろ)知事の発案で実現した秋田国際教養大学。「大学がつぶれている時代に新しく作るなんて」と議会では大変もめたそうだが、昨年の開学早々偏差値は東京外国語大学並に高く、順調に進んでいるよう。  しかし、同大学内には北米やアジアの地域研究コースはあるものの、中南米は含まれないよう ...

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 最近見かけないな。  二歳の娘と同じ年月日に生まれた女の子がいた。両親は中国人。散歩コースが一緒だった。何かあったのだろうか。  先日道端で両親に会った。訊いてみた。「中国に置いてきたんだ」。あっけらかんという。  後日、またひとり、娘の「友だち」が消えた。やっぱり両親が中国人の一歳男児だ。今度も、「中国に帰った際に身内に預け ...

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 「君の(野球の)趣味は素晴らしい」。国会議員に取材とあって久しぶりに緊張していたが、とたんにその糸がほぐれた。保坂三蔵経済産業副大臣だ。お互い阪神タイガースのファンだということで盛り上がった。「ブラジルでも、もっと野球が盛んだったらいいのにねぇ。阪神を連れてきたい」。  アマゾンの果物「アサイ」にも話がおよび「どのような果物か ...

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 先日、京都の舞鶴港で戦後の引揚六十周年を記念する式典が開かれたというニュースを見た。舞鶴には戦後十三年間で六十六万人余が帰還したという。戦後六十年は引揚六十年でもあると、あらためて感じた。  取材先で、戦後外地から引揚げてきたという人と話す機会がある。満州だったり朝鮮半島だったりと、場所は色々だが、苦難の末に戻った日本から再び ...

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 成功への焦りから、初期移民には殺人や近親相姦が起こったという。六世が誕生する時代になって、日本人はブラジルで犯罪を起しているのだろうか?  ブラガンサ・パウリスタの辻正夫さんを介し、古川長サンパウロ州刑務庁長官に調べてもらったところ、同州内の刑務所(拘置所を含む)に二人の日本国籍者がいるという。  実は半年ほど前に、同長官の人 ...

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