ホーム | 日系社会ニュース | 広島入りの左腕が意気込む=速球武器の仲尾次オスカル=「マエケンのような投手に」=10日から新人合宿で始動
(左から)姉の直美、早苗、オスカル、嗣光さん。ナタルのひと時を家族と過ごし英気を養った
(左から)姉の直美、早苗、オスカル、嗣光さん。ナタルのひと時を家族と過ごし英気を養った

広島入りの左腕が意気込む=速球武器の仲尾次オスカル=「マエケンのような投手に」=10日から新人合宿で始動

 昨年10月のプロ野球ドラフト会議で、広島から6位指名を受けた仲尾次オスカル正樹投手(24、二世)が12月末、プロ入りという大きな手土産を持って凱旋帰国した。聖市内の自宅で取材に応じたオスカルさんは、「まずは一軍に上がり定着を目指す」と語り、〃マエケン〃の愛称で親しまれた広島の元エース前田健太投手を目標に、「チームから信頼を得られるような選手になりたい」との意気込みを語った。

 6歳から野球を始めたオスカルさんは13歳からイビウナ市のヤクルトアカデミーに所属し、15歳ごろには世代別代表として初訪日した。「ブラジルは力任せのプレーが多い。日本式野球は走攻守全てが細かいプレーだった」という強い印象を受けて帰伯し、みっちり鍛え直したという。
 当地で高校を卒業後、スカウトされて訪日、栃木の強豪・白鴎大学に進学した。寮では一学年上の金伏ウーゴ投手(26、三世、現・巨人育成)と同部屋に。「アカデミー時代の先輩でもあり、外出する時はいつも一緒で野球以外の面倒も見てくれた」と語り、良き先輩に恵まれたことに感謝した。
 大学3年になると筋力トレーニングの効果が現れ、球速は140キロ台後半をマークするようになった。社会人野球の強豪Hondaでは速球を武器に、主に抑えを任される。アマ時代最後に臨んだ第41回社会人野球日本選手権では、チームを決勝に導くも、最後は日本生命にサヨナラ負け。惜しくも準優勝に終わったが、「チーム一丸で戦った結果。優勝を逃し残念だが悔いはない」と清々しくプロの世界へ視線を向けた。
 ドラフト時は埼玉県狭山市のHonda選手寮内の食堂で、監督やコーチと中継を観た。決まった瞬間を「嬉しさが一番。安堵感もあった」と振り返る。ドラフトにかかるのは大学卒業時、社会人2年目と今回で3回目。「今年が一番緊張した。これでプロ入りが叶わなかったらと不安だった」と胸をなでおろした。
 3年ぶりの母国でクリスマスを過ごし英気を養った。兄の呼び寄せにより20代後半で聖市に移住した父嗣光さん(72)、10歳の時に聖市へ家族移住した母早苗さん(64、ともに沖縄)は、「正樹は子どもの頃からプロ入りが夢だった。背が小さかった息子がまさか本当に夢を叶えるとはね」と感慨深げ。「抑えを任せてくれたホンダに感謝。プロの世界は厳しいからこれからが本番」とエールを送る。
 滞伯時はヤクルトアカデミーで体を作った。10日からは新人合同自主トレが始まる。「不安よりも楽しみの方が大きい」と頼もしく語るオスカルさんは、貴重な速球派左腕として中継ぎでの起用が濃厚。「負けん気を強く持ち、直球の勢いと変化球のキレで三振をとりたい。ブラジルにも活躍を届けたい」と抱負を述べた。


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 広島入りが決まった仲尾次オスカルさんは、プロ入り直前に3年ぶりの帰国を選んだ。もちろん報告を兼ねたものでもあるが、「温暖な気候での体作り」という理由も。「真冬の日本では思い切り投げ込みができないから」と聞き納得した。ヤクルトアカデミーでは日々5、60球を投げ込み、佐藤允禧監督や元広島の玉木重雄さんから「怪我だけは気をつけろ」との助言が。当地で鍛えた肉体で上々の滑り出しに期待。
     ◎
 今季プロ野球に所属する伯国出身選手は、オスカルさんほか金伏ウーゴ投手(巨人育成)、ルシアノ・フェルナンド外野手(楽天)の3人。オスカルさんにプロで対戦したい打者を問うと「白鴎大時代の2つ後輩、ルシアノ!」。公式戦だと、セ・パ交流戦しか機会がないが直接対決が待ち遠しい。ちなみに米メジャーにはヤン・ゴメス捕手(インディアンス)、アンドレ・リエンゾ投手(マーリンズ)、パウロ・オルランド外野手(ロイヤルズ)が在籍。9月末には2017年WBCの予選が控えるので、日米の伯人選手に注目だ。

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