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金城ヴィトルさんアルバム発表=各国文化を取り入れる日系歌手=地域音楽で祖先と繋がる

四つ竹をサンバのリズムで鳴らす金城さん

四つ竹をサンバのリズムで鳴らす金城さん

 沖縄県系四世の金城ヴィトルさん(33)が11日、初アルバム「KINJO」を発表し、サンパウロ市内のエマ・クラビン・ゴルドン文化財団で記念コンサートを行った。コンサートには約50人の友人、親族らが集まり、金城さんの音楽に聞き入った。
 金城さんの音楽は沖縄、ブラジル、アジア諸国などの音楽要素を混ぜたワールドミュージックだ。一曲目に演奏された「Permissao」では、金城さんが沖縄の伝統楽器「四つ竹」をブラジルの地域音楽のリズムで鳴らしながら唄った。さらに、曲間に沖縄伝統音楽特有の掛け声を入れるなど、沖縄を感じさせる工夫が散りばめられた。
 コンサート中にはブラジル人バンドメンバーによる三拍子コーラスに合わせ、「てぃんさぐぬ花」をアカペラで披露。また、ピアノでの弾き語りやショーロ調など、多彩な楽曲で聴衆を楽しませた。
 当日の会場には金城さんの祖母、ツネさん(92、二世)が最前列に車椅子で陣取り、終始笑顔で楽しんでいた。コンサート終了後、金城さんは、ほっとした表情でツネさんのもとへ。孫の手を取り「頑張りなさいね」と語りかけるツネさんに、金城さんは大きく頷いて答えた。
 金城さんは同時期にサンパウロ総合大学(USP)の経済学部、カトリック大学(PUC)の社会科学を学び、カンピーナス大学の社会学で修士号、社会科学で博士号を取得した。昨年には、バンドメンバー2人と沖縄県で行われた第6回世界うちなーんちゅ大会に参加し、打楽器奏者の翁長巳酉さんと共演した。
 同大会は金城さんほかバンドメンバーにとって忘れられない経験になったそう。「来年は全員と一緒に沖縄、日本にCDを持って行き、コンサートをしたい」と日本での活動にも意欲を示した。
 金城さんへの問い合わせは(contato@vitoru.com.br)、公式サイトは(www.vitoru.com.br)まで。

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