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ジャパン・ハウス=来場者延数50万人突破!=建築『未来の未来』展公開中=移民110周年に協力も

入場者推移のグラフ(開館2カ月間は8万人弱、7月に10万人突破。その後は6万人台。11月は15日まで)

入場者推移のグラフ(開館2カ月間は8万人弱、7月に10万人突破。その後は6万人台。11月は15日まで)

 5月に開館した日本政府の文化広報施設「ジャパン・ハウス」(平田アンジェラ館長、以下JH)は、先月末までの来場者延数がついに50万人を突破した。先月28日の『第7回運営委員会』では今後の事業の在り方について議論が行われたほか、先月21日には巡回展『未来の未来』展の公開が始まった。

 JHは開館からわずか2カ月で13万6千人の年間目標を達成。その後も来場者は堅調に推移し、ついに50万人の大台に乗った。平田館長は「今後もこのペースを維持したい。そのためには良い展示を見せ続けなければ」と意気込んだ。
 15年度から3年間で約37億円の予算が計上され、19年度以降は複数の指標を総合評価し、事業継続が判断される。「いきなりの独立採算は難しいが、せっかく立ち上がったブランドをゼロにするわけにはいかない」と同館長は強調。19年以降も政府の支援を得ながら、収益性を強化していく方針だ。
 例えば、ポップアップストア(期間限定の試験店舗)を通じた企業のブラジル市場進出支援だ。無印良品やBEAMSなどの日本の有名ブランドの出展もすでに確定している。来年は聖州産業連盟(FIESP)主催の企業家訪日視察団支援も決定しており、両国の経済交流も手伝う。
 将来的な自走化に向けて、JHの法人格取得に向けた手続きが進められている。企業会員制度を導入し、寄付に伴う税金をルアネー法によって控除する狙いもある。
 移民110周年への協力として関連グッズを製作販売する予定。収益の一部は110周年実行委員会に還元されるほか、県連日本祭の宣伝にも協力する。平田館長は「出来ることがあれば相談に乗っていきたい」と協力姿勢を示した。

藤本壮介氏の『未来の未来』展、公開初日の様子

藤本壮介氏の『未来の未来』展、公開初日の様子

 同館では現在、建築家・藤本壮介氏(46.北海道)による『未来の未来』展が開催中。TOTO株式会社が運営する建築デザイン専門ギャラリーで15年に公開されたもの。世界3カ国のJHで公開される巡回展。
 地上階では「建築はあらゆる所に」をテーマとし、建築の未来への想像を掻き立てる70点を展示。二階では、過去の代表作や未来を見据えて現在進行中の事業に関する模型50点とパネル17点が展示されている。
 藤本氏は住む空間としての建築の根本を問い直し、日本人的な〃間〃の感覚を取り込んで、自然と建築、身体と建築空間、内と外、個人と共同体との関係に着目する。新たな空間創出に挑戦してきた進取気鋭の作品が楽しめそうだ。同展示は来年2月4日まで。
 3月からは、山中俊治研究室企画「Prototyping in Tokyo」展が予定されている。


□関連コラム□大耳小耳

 先月21日の公開初日、JHセミナールームで講演を行った藤本氏。自然豊かな北海道で育ったが、自然とは対極に位置するはずの東京の下町に、不思議と森に抱くような安心感を覚えたことが、間を意識する原点となったと語った。「ごちゃごちゃした下町に安らぎを覚えるのは、その背景にある秩序が自然と同じだからではないか」。そのような発想を活かし、目的を敢えて定めない空間も適時設置することによって、より居心地の良い空間作りを目指しているのだとか。
     ◎
 藤本氏の代表作の一つとも言えるのが、武蔵野美術大学図書館だ。本棚の壁が迷路を描くように連続した一枚になっている。本棚の壁の所々に窓のような空間が設けられ、向こうが見えるように設計された。「まるで森をさ迷い歩いているかのように、その先に何かありそうな予感を感じさせる空間になった」と頷く。一冊の本と出会うには、まさにぴったりの空間かも。公演の終わりに際して、藤本氏は「空間を二分するのでなく、曖昧さを現代的に生かすことによって、何処までも新しく豊かな発見が生まれてくる」と建築の未来について展望した。

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