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「屋上屋を架す」愚避けろ

 ◇村松仁志ゴヤス州アナポリス市援協地区委員
 二十一世紀には日本人・日系人のブラジルへの同化がさらに進む。そのため日本人が日本人でなくなり、日系社会が消滅する可能性がある。日本人のアイデンティティを維持するために、文協が組織した日系団体連合組織は価値がある。

 ◇小野マット・グロッソ・ド・スールドウラドス市援協地区委員
 日系団体の代表機関として日系団体の連合組織は必要。その意味で先ごろ設立されたブラジル日系団体連合会の設立自体は評価できる。ただ連合会の活動内容、目的がはっきりしない。日系団体は今までサンパウロ市創立四百年祭(一九五四)、皇太子の来伯(一九六七、七七)など大きな行事の際にまとまりを見せた。なぜ今、日系団体連合会を組織する必要があるのか疑問がある。今後、連合会の目的について煮詰めていく必要がある。
 ドウラドス市にはブラジル日系団体連合会の存在を知らない人が多い。日系団体連合会を組織する以前に、地方の日系団体の活性化を図ることが先決。地方の日系団体の盛り上がりがあってはじめて、連合会が意味を持つ。地方の日系団体が連合会を結成する。地方の連合会がブラジル日系団体連合会の会員になるのが理想的だ。
 ブラジル日本文化協会が設立された時、全伯的な組織と考えた。実際には、文協はサンパウロ市中心の団体でリベルダデ日本人会のようなもの。ブラジル日系団体連合会には全伯的に活動することを期待する。
 地方では出稼ぎなどで多くの青年が都市へ流入している。日系団体の経営は厳しい。このような背景の中で日系団体には現在、利用価値が求められている。プール、テニス場、ゲートボール場などの施設を作らないと人が集まらない。ドウラドス文化協会は先ごろ、地域活性化のためのシンポジウムを開いた。
 一世の人口が多い時代には日系団体に所属しないとつまはじきにされることがあった。日系団体の性格が日本人の親ぼくの場から文化クラブへと変化してきている。

 ◇管野鉄雄サンジョゼ・ドス・カンポス援協地区委員
 ブラジル日系団体連合会は日系人の日本離れをくい止めるために組織された。無いよりはあったほうがよい程度なもの。サンジョゼ・ドス・カンポス市など地方の日系人には日系団体連合会の存在、活動内容が浸透していない。
 日系団体は今後、ブラジル人にも開かれたものにならなければならない。日系人だけの閉鎖的な団体では生き残っていけない。日系団体は地元の活性化に貢献する必要がある。サンジョセ・ドス・カンポス文化協会は市役所と協力して市の文化事業で日本文化を紹介している。
 優秀な日系人を役所、企業の指導者として送り込む。そうすれば日系の指導者がブラジル人に勤勉・実直といった日本精神をアピールすることができる。他民族に交わって日本人のアイデンティティを主張することが必要だ。
 日系社会では現在、高齢化・世代交代が進み日本語を理解できる人が減少している。二十一世紀には出稼ぎから帰った人と地元の人が協力して、日本語教育の活発化に努めるべきだ。

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