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日伯の「掛け橋」に期待=外務大臣 川口順子

2003年1月1日(水)

 平成十五年(二〇〇三年)を迎えるにあたり、ブラジルへの移住者及び日系人の皆様並びに在留邦人の皆様に謹んで新年のお慶びを申し上げます。 二〇〇三年、国際社会は、イラク情勢や北朝鮮の問題といった緊急の課題に加え、テロとの闘い、地域紛争など様々な課題に直面しています。我が国は、自らの安定と繁栄の確保に不可欠である国際社会の平和・安定と繁栄を実現するため、これら課題の解決に向けて積極的に貢献していく考えです。こうした諸課題への取組に当たっては、各国との幅広い協力関係を一層発展させるとともに、国連やG8をはじめとする国際社会と協力しながら外交努力を継続していくことが必要だと考えています。
 私は、こうした考え方に立ち、より平和で安定した未来を築くために、海外に居住する皆様のご理解とご協力を得まして、全力で外交に取り組んでいく決意です。
 今日、海外渡航者や在留邦人の増加に伴い、国民の皆様との直接の接点である領事業務の重要度が飛躍的に増加し、「国民とともに歩む外交」への期待がますます高まっています、政府としては、この実現を目指して改革を進めるとともに、(一)国民本位の領事行政サービスを実現する施策、(二)海外邦人安全対策の推進と危機管理への対応能力強化、(三)在日外国人・日系人との連携強化の領事改革にかかる諸テーマについて、昨年十月発足した海外交流審議会において審議の上提言いただくことになっております。
 また、昨年(平成十四年)十月、国際協力事業団(JICA)の横浜国際センター内に海外移住資料館が開館しました。同資料館では、移住に関する歴史的文書、写真、フィルム等が展示されて、新たな情報発発信基地として、また、我が国と海外日系人社会との交流の拠点として大きな期待がかけられております。 ブラジル在住の邦人及び日系人の皆様におかれましては、政・官界、産業界、芸術・文化界等の様々な分野でご活躍され、また、両国間の相互理解、友好親善関係の増進に重要な役割を果たしておられます。私は、我が国とブラジルとの「懸け橋」として多大な貢献をされている皆様が、今後とも各方面でご活躍されることを期待しております。
 最後に、皆様の新年におけるご多幸と一層のご繁栄を心からお祈り申し上げます。

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