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会議所=勝ち組みから〃価値〃組へ=西川りゅうじん氏=企業経営指南

11月12日(水)

 ブラジル日本商工会議所(田中信会頭)は七日、サンパウロ市内のホテルで定例昼食会を開催した。外務省派遣の講師として招かれた経済評論家の西川りゅうじん氏を迎え、これからの企業経営のあり方などについて熱弁を振るった。「メッシー」や「アッシー」と言った時代を鋭く見抜く流行語を数多く生み出した西川氏のユーモア溢れる話術に、参加者らは魅了されていた。
 一九六〇年に神戸市に生まれた西川氏は、一橋大学経済学部と法学部を卒業、商品開発や町おこしなどの企画プロデュースに携わり、現在は商業開発研究所レゾン所長。
 「企業の勝ち組負け組の論理」という会議所からのテーマに対し、西川氏は「勝ち負けなどと白黒をハッキリさせたがるのは日本の悪いところ。これからは勝ち組でなく、いかに『価値』を追究していくか」だと断言した。
 自らが関わりブームを巻き起こすことに成功した鹿児島の焼酎について、西川氏は「日本人は健康によいものを求めていた」と分析。また、GNP成長一辺倒だった過去の日本と違い、現在は「新GNP時代」にあると西川氏は説明。「G=元気で N=長生きして P=ポックリ逝く」と語った。
 また、「未曽有の不況」という言葉が付きまとう現在の日本経済についても、西川氏ならではの前向きな見解が示された。高級車のベンツがバブル期の売り上げを上回っていることや、百万円のクルーズ船旅行に予約が殺到していることなどを例に挙げ「価格の安いものが受け入れられている訳ではない」と消費行動を分析。「消費者が価値を見いだすものならば、売れる」とアドバイスを送った。
 さらに多民族国家ブラジルで企業活動を行う参加者らに「ブラジルには多様性がいい形で混じり合っている。フェイジョアーダやカイピリーニャに成功へのヒントがある。是非、可能性の宝庫のブラジルで頑張っていただきたい」と力を込めた。

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