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群馬県大泉町=移民記念館オープン=デカセギや移住資料展示

12月16日(火)

 【東京支社】七日、群馬県大泉町のブラジリアンプラザ二階に移民記念館がオープンした。ブラジル移民が始まり九十五年の歳月が流れ、また日系人の母国就労が本格化して十五年がたった今、日系人と日本人の手作りの移民記念館が出来た。
 入り口には第一回移民船「笠戸丸」の大きな写真が飾られている。館内には日本人移民の足跡を辿る歴史的な写真や在日ブラジル人のサンバパレード、サッカー関連写真などが展示され、コーナーにはブラジル関連の出版物などが置かれている。展示物は順次変えられるという。
 手作りの小さな記念館だが、その中には既成の記念館とは一味違った雰囲気が漂う。
 企画者の一人、日系三世の橋本秀吉さん(四〇)は一九八九年に来日。働きながら日本の各地を回り、ルーツである日本について学んだ。広島にも長崎にも行き、原爆祈念館も訪ねた。「きみたちは日本を知らない」と言われることに抵抗も感じた。自分の方が知っている自負も生まれた。
 日伯にまたがる移住の歴史を在日ブラジル人にも日本人にも、もっと知ってもらいたいと考え、双方の有志が協力しあい移民記念館の設立となった。その意に賛同してもらい大泉町と愛知県小牧市で場所も確保できた。
 「私自身もブラジル移民の歴史をよく知っているとはいえません。在日日系人も祖父母、父母の歴史を知ることにより、しっかりと足を地につけて生きていけると思います」と橋本さんはいう。
 移民記念館の開設は、在日日系人と日本人との共生への新たな一歩となろう。わずかな資金でのスタートだったが、熱心なボランティアの協力があった。
 オープニングには、大泉国際交流協会会長の山口武雄さんと訪日中の二宮正人さん(国外就労者情報援護センター理事長)によってテープカットが行われた。外交官を父にもつブラジル生まれ内山勇さん、大学教師のアンジェロ・イシさん、造形作家伊藤修さんら日系人、ブラジルに関係の深い人々も集まりオープンを祝った。
 移民記念館・BRAZNET・JP運営事務局では「ブラジルや日本、ラテンアメリカとともに生きる人たちが、生活する上で必要な情報を交換する媒体として、『ブラジルネット・ジャパン』はインターネットのホームページと新聞を開設・発刊していきたい」と説明している。
 十二月十四日には愛知県小牧市にも移民記念館がオープンした。
※移民記念館・BRAZNET・JP運営事務局―神奈川県横浜市鶴見区鶴見町1―4―3―501
電話045(503)6411 FAX045(508)1955

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