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青年部作り若手育成=日系研究者協会が会議

12月16日(火)

 博士号を有する日系大学教授らで構成されている日系研究者協会(SBPN、清水民雄会長)の青年部設立のための第一回会議が十二日、サンパウロ市内の工学研究所(Instituto de Engenharia)で開かれた。会議には国際協力機構(JICA)職員、協会会員、JICA元研修員ら約百五十人が出席、日系の若手研究者育成に向け第一歩を踏み出した。
 SBPNは一九九二年創立。現在、本部をJICAサンパウロ支所内に置き、クリチーバ、カンピーナス、マリンガ、カンポ・グランデ、ロンドリーナなどに九支部、会員は七百五十人を数える。
 青年部設立は半年前から、JICAが率先して各方面に提唱、今月十日の協会役員会で決定した。目的は(一)JICA短期・長期研修生ら若手の育成(二)専門分野での企画立案、社会福祉活動等(三)セミナー開催により若者に研究発表の機会を設定――など。活動は毎月第三火曜日の小会議、月一回のセミナーを予定。来月、臨時総会で組織を変更、民間参入も可能になるらしい。
 青年部設立のための第一回会議は十二日午後四時半ごろから始まり、渡辺シゲオ協会名誉会長、山本ヤシロウ同元会長らがあいさつ。JICAの小松雹玄サンパウロ支所長は「日本移民百周年に向けて、日系社会と日系人の役割を見直す必要がある」と語り、SBPN会員が近隣諸国へ日系専門家として派遣され、活躍していることなど説明、若者の後続を促した。続いて佐藤直協会理事がセミナーやワークショップなどを通して、各専門分野の発展への協力を呼び掛けた。
 青年部設立に向け奔走した佐々木弘一JICA日系社会業務統括は、「いまは若者が自分の分野で社会に出る機会がない。今後、活動を通して、若者の抵抗感をなくし、将来的には県費研修生たちにも手を広げていきたい」と語っていた。

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