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援協 和井会長休職へ=十月から酒井会長代行=妻の看護との両立困難=定例役員会で発表

8月20日(金)

  サンパウロ日伯援護協会(和井武一会長)の和井会長が今年十月から職務を休み、来年三月の役員選挙まで、酒井清一第一副会長が会長代行に就任することになった。定例役員会が十九日午前十一時三十分から開かれ、和井会長自身が発表した。妻ヤスコさんが体調を崩し二十四時間態勢の看護が必要になっており、会長職との両立が困難であるため。日本側との折衝など重要な案件を除き、酒井第一副会長が一般的な職務を引き継ぐ。日系団体の行事には、五人の副会長らが交代で出席する方針だ。和井会長が実質的に一線から退く形になり、次期会長候補の選出に注目が集まる。

 和井会長は九四年六月から現職。今年十月で九十一歳を迎えるが、前々から高齢を理由に辞意を口することがあった。
 しかし、日伯友好病院の神内総合医療検査センターの建設計画が浮上。〇二年四月、日本国際協力財団(神内良一理事長)に資金協力を要請した。「和井会長が辞任するのなら、支援はしない」と注文をつけられたため、無理を押して続投してきた。
 同検査センターは今年八月一日に竣工した。この間、ヤスコさんが病気で倒れ、現在看護婦などが昼夜交代で看病に当たっている。和井会長は理事会で「歩行が困難で、夜は看護婦が帰ってしまうので世話が大変なんです」と胸中を告白した。
 援協は、任期半ばでの辞任となれば行政上の手続きが煩雑になると判断。来年三月の役員選挙まで、肩書きに手を加えない方向で調整を続けてきた。酒井第一副会長が会長代行として、組織を代表することに決まった。
 既に、日系団体のイベントには副会長らが交代で足を運んでいる。八月末から九月にかけて日本から議員などの来伯が相次ぐため、新体制は公式に十月からスタートする。和井会長は、組織の死活問題と認められるような場合にだけ顔を出す。同会長は「私以上に能力を発揮できる人だと思います」と酒井第一副会長を激励した。
 今回の人事の変更で、和井会長が来年三月の役員選挙で、現職を退く可能性が濃厚になった。後任について、援協は明らかにしておらず、今後の展開に関心が集まりそうだ。

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