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太鼓、日系の元気=60団体、2千人余の協会発足

2月17日(火)

 ブラジル太鼓協会(渡部一誠会長)の発会式が十四日午後ニッケイパラセ・ホテルであり、日系各団体の代表ら約百五十人が集まりその門出を祝った。
 續正剛元保健大臣、羽藤ジョージ、ウィリアム・ウーの両サンパウロ市議といった政界関係者も多数見受けられた席上、渡部会長が開会あいさつ。「何事も前に進むためには連帯が必要。きょう植えた小さな種が数年後、木に育っているよう努めたい」と力強く語り、和太鼓の普及を通し青少年育成を図っていく考えを明かした。
 サンパウロ大学医学部で長年教鞭をとり解剖学分野の研究で成果を残してきた、などと自己紹介した渡部氏は今年還暦。協会代表に就任するまでの背景については、「仕事の傍ら常にコロニアの行事に積極的に参加してきたと自負している。今後も社会貢献に励むつもりでいたところ、川筋太鼓の指導者小田幸久さんと出会い、ブラジルでも和太鼓を広め伝えたいと思った」とした。
 JICAシニア・ボランティアで協会の総合指導者を任された小田さんは「福岡県人会をはじめコロニアの皆様の支援によって約六十団体、二千人以上が参加する協会として発足できた」と関係者を前に感謝し、「残り五ヵ月の滞在だが、日本人の心、日本人としての誇りを伝承して帰りたい」と語った。
 これを受け、協会の特別相談役でJICAサンパウロ事務所の佐々木弘一日系社会業務統括は「日系団体の元気のなさが目立つなか、太鼓だけは違っている。コロニアの活性化は太鼓に参加する若者から、そう思うようになった、もっともっと支援していきたいと思っている」と約束。
 文協の上原幸啓会長は「日系百四十万のうちわたしたちの世代は十パーセントでしかない。太鼓協会は若者の団体。成功を祈ります」とエールを贈った。
 発会式はスザノ市の太鼓グループ「山吹」の演奏披露で締めくくられた。
 ブラジル太鼓協会の主要役員は次の通り。
 名誉顧問=矢野ペドロ(元福岡県人会長)、顧問=北川彰久(ニッポン・アマチュア歌謡連盟会長)、名誉会長=小松雹玄(JICAサンパウロ事務所長)、特別相談役=佐々木弘一(JICA日系社会業務統括)、特別理事=塩見和子、小口大八、会長=渡部一誠(前福岡県人会)。

 

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