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ご存じ? 紅ちらしです

5月28日(金)

 紅ちらしは、通称ブラジル産梅干しのことだ。塩漬けした花梅と紫蘇に、ショウガを混ぜ合わせて作る。移住後開拓に苦労した先駆者たちが生みだした〃傑作〃食品の一つだ。コロニアで今でも食卓に見かけることが多いはず。
 梅干しは日本人の食生活に欠かせない貴重なものだが、移住初期ころのブラジルに梅の木がなかったのであろうか。誰かが代用品となる花梅の存在を知ったのだ。同じような植物が沖縄にあるらしいので、沖縄からの移住者が見つけたのかも知れない。
 ブラジルではアゼジンニャと呼ばれる。花梅にはゼラチン成分が含まれているため、砂糖を混ぜて煮つめるとジャムができる。香ばしく、甘い中にもかすかに酸味があり、日本人の嗜好に良く合う。
 サンパウロ州ミランドポリス郡第一アリアンサ、弓場農場では花梅の収穫が最盛期を迎えている。収穫期は五月と六月の二ヶ月間だけらしい。十二月に種を蒔いたものだ。弓場では自給自足が基本、化学肥料や農薬を使わない完全な自然栽培なのでとても健康的だ。
 七月二十三日から二十五日まで、サンパウロ市のサンパウロ州議会施設で開かれる日本まつりで、弓場特産の手づくり「紅ちらし」と「花梅ジャム」が購入できる。 

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