ホーム | 日系社会ニュース | 救済会の”母”マルガリーダさんを偲ぶ 伝記ポ語版出版記念会に200人 「死の間際まで憩の園に戻りたがっていた」

救済会の”母”マルガリーダさんを偲ぶ 伝記ポ語版出版記念会に200人 「死の間際まで憩の園に戻りたがっていた」

6月25日(金)

 【既報関連】渡辺マルガリーダさんの伝記『ドナ・マルガリーダ・渡辺』(御茶の水書房)のポルトガル語訳版『Marugarida Vatanabe』(ZIPANGO)の出版記念パーティーが二十三日午後七時から、サンパウロ市リベルダーデ区の文協貴賓室で開かれた。著者の前山隆阪南大学教授、橋本盛作御茶の水書房代表取締役らが来伯したほか、各界の代表者ら約二百人が祝福に駆けつけた。
 今は亡き渡辺さんに黙祷を捧げた後、左近寿一救済会会長があいさつに立ち、翻訳に携わった協力者に感謝。「マルガリーダさんもポ語版の出版を満足していることでしょう」と述べた。
 前山教授は「翻訳作業には八年の年月を要し、苦労の末に、出来上がったもの。日伯両側で、文書や電話で侃侃諤諤の議論をした」と明かした。その上で「マルガリーダさんは、十一歳で移住したので、古里の鹿児島県枕崎の言葉しか話せないと言っておられました。救済会の仕事を始めて、上品な日本語をしゃべるようになりました」と故人をしのんだ。
 渡辺さんが渡伯後に入ったブルー家のカルビア・ブルーさんは「マルガリーダさんと知り合ったとき、彼女は既に未亡人でしたが、すぐに家族ぐるみでの付き合いになりました。親切で注意深い人でした」と話した。
 三男ジョゼ・カルロスさんの妻、渡辺レイコさんは「義母は死の間際まで、憩の園に戻りたがっていました。福祉の仕事は愛すべきもの。これからも継続してがんばってください」と関係者を激励。最後に、大浦文雄常任理事の音頭で乾杯した。
 パーティーには、佐藤宗一サンパウロ総領事館首席領事、吉井弘国際交流基金サンパウロ文化センター所長、石橋隆介JICAサンパウロ支所長代理など多くの来賓が訪れた。

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