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マンゴー日本輸出へ=交渉27年実って合意=小泉首相置き土産=業者は「まだ不安」

9月22日(水)

 ブラジルと日本は十六日、二十七年にわたる交渉の末、ブラジルのマンゴー日本輸出で合意した。マンゴー輸出は貿易あるいは投資に関して、今回の小泉首相のブラジル訪問で得られた唯一の両国間合意。十六日付ロイターが報じた。
 「マンゴーは日本で生産できない高級フルーツ。日本市場は大変魅力がある。空輸でも十分利益が上がるほど高値で売れる」と、手放しに喜ぶのはサンパウロのマンゴー輸出会社フルーツランド社のアメリコ・タヴァーレスさん。十八日付エスタード紙に語る。
 マンゴーの対日輸出交渉はデルフィン・ネット企画大臣の時代に始まった。当時南米でマンゴーの対日輸出が認められていたのはコロンビアだが、日本車の輸入規制を解除するという交換条件付き。日本との交渉はそれほど難しかった。
 アメリカは五年前にようやくブラジル産マンゴーを輸入開始。今ではパパイア、イチジク、レモンやカキなどのブラジル産フルーツも同国内に出回っている。
 「しかし、税関検査は非常に厳しい。地中海ミバエに対する熱処理、包装や梱包チェックなどだ。アメリカ人検査技師がきっちりチェックし合格したものにだけ証明書が発行される」とタヴァーレスさん。
 同様の厳しい検査は日本でも不可避だ。ただ、ブラジルは日本と季節が逆。端境期に、日本人が好むフルーツを輸出できるメリットがある。サンパウロ州農務局のマウリシオ・フェラース果実部長は「マンゴー輸出に成功すればカキや、ブドウ、イチジクなどの輸出にもチャンスが出てくる」と期待を膨らませる。
 一方のタヴァーレスさんは「マンゴーの日本への主要輸出国であるマレーシアの端境期を見計らって輸出しなければならない」とし、「日本の輸入合意に関する今回の記事を切り抜き机上に張りつけて置くが、本当に実現するのかまだ心配」と本音を漏らした。
 

 

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