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5月7日(土)

 四日付けカナダのバンクーバーの邦字紙メイプルタウン紙によれば、中国人のグループが四日、同市内の日本領事館近くでデモを行った。同領事館では不測の事態に備えてカナダ在住の邦人や学生、観光者に注意を呼びかけていた。抗議運動代表は、「このような警告は火に油を注ぐようなもの」としている。アジア歴史保存協会の代表は、「日本領事館は私達バンクーバーに住む中国人が平和を愛するカナダ人であることを分かっていない。これは無知であり恥ずべきこと。日本領事館は本当の問題から話題をそらそうとしている」と同紙に述べた。抗議運動には日系カナダ人も何人か参加したという。
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 沖縄タイムス紙上で八九年一月から八十回にわたって連載された比嘉憲司さんの「イッパチの夢を賭ける」がこのたび日本で出版された。笠戸丸移民の二人の少年が、賭博師と日本人初の歯科医師となった実話に基づいたもの。比嘉さんは本来写真家で移民にかかわる写真展も開催しており、ブラジルに訪れた際に聞いた話を基に書いたという。登場する二人は南風原町出身で、九十年には同町の町民劇にもなっている。
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 山口県文化協会(ピラピチングイ通り)隣りに、サン・ルーカス病院がある。中国系の資本が入っていたからか、漢字で「応急処置」と看板が出ていた。ここ最近、経営状態が悪く破産状態になっているらしい。「二、三カ月人の気配が全然ないですよ」と同県人会関係者。放置されているという。建物の奥行きは、ドウトール・シケイラカンポス通りまで達し、敷地面積は結構広い。老朽化が著しい同県人会会館。病院の内情が気になるところだが…。
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 北パラナのアサイの入植記念盆踊り(市役所、アサイ文化連合会共催)は、演奏「曲目」を予告して愛好者に参加を案内している。今年は「相馬盆唄」「ブラジル音頭」「平和音頭」「東京音頭」などであった。会場も教会前アベニーダ。例えば、文協運動場とか、お寺の境内とかでない。参加者も非日系人が高率。七十年間余りで変わって来た。郷に入って郷に従った状態というべきか。将来、「ブラジルの盆踊り」はますます様変わりしていくだろう。

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