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コラム 樹海

 ブラジルは、本当に懐(ふところ)が深いというか、鷹揚だというべきか、表現しがたい国だ。(主催側が)世界最大と誇った、去る五月二十九日の「同性愛者パレード」「ゲイ祭り」。それをサンパウロ市の大きな公道で公認で「やらせる」▼世界最大は、主催側発表で二百五十万人の参加(もちろん見物人を含めて)が根拠になっている。こんな多人数のパレードは、ほかに例がないといわれる▼当日の地下鉄南北線は、午後二時前後、パレードの出発点パウリスタ通りに向かう人々で、すし詰め状態だった。同性愛者も見物人も、異常に乗車したからだ。奇声をあげ、電車の扉に〃つくって飾った身体〃を挟んで面白がり、発車を妨害していた。この日は究極の自己顕示が、容認された日▼パレードに関係しないほかの乗客や、乗車できずにホームで立ち通しの一般客は無表情に近い。それぞれ、同性愛者に対する「思い」はあるだろうが、自分を喧噪の外においていた▼ゲイたちの中に日系人がいるかどうか、ホームから眺めてみた。それらしい人はいなかった。多分、いないのではなく、絶対数が少ないので目立たなかったのだろう。本番のパレードには参加していたはずだ▼パウリスタ通りでは、三日前に聖体祭の集会があり、ゲイ祭り参加者総数に近い人たちを集めていた。二つの催しに参加した人もいたかもしれない。立場からいえば、二つの催しは「相容れない」。だが当局は、時流に乗るかのように集会を認可する。やっぱり懐が深いのである。(神)

05/6/8

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