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百周年事業=熊本県が先駆け具体化連携密に交流促進=上塚周平で町おこしも

6月14日(火)

 熊本が県人会レベルとしては初めて、百周年事業に本格的に動き出した――。文協選挙以来これといった動きの見えない本家・百周年祭典協会を尻目に、ブラジル熊本県文化交流協会(福田康雄会長)は独自の具体案を示し、先月、早々と母県に協力を呼びかけた。それに呼応するかのように、この十八日の「移民の日」に母県では〃ブラジル移民の父〃上塚周平を顕彰する「イッペイの会」が発会する。福田会長は「徐々に機運が盛り上がっている。母県側との連携をより密にし、有意義な百周年にしていきたい」と意気込みを語った。
 「夕ざれば木陰に泣き手コーヒーもぎ」「夜逃げせし移民思うや枯野星」(瓢骨)
 福田会長は「この二句には当時の移民の苦悩が詰まっている」という。
 瓢骨とはもちろん上塚翁の俳名だ。出身地、城南町の名誉市民第一号である上塚翁は、今年没後七十周年を迎える。
 郷土では、上塚顕彰「イッペイの会」をこの十八日に発足させる。発起人の一人、米原尋子さんは福田会長に宛てた十一日付けFAXの中で、「上塚周平を郷土の誇りとして、もっと多くの人とその遺徳を分かち合いたい。特に未来を担う子供達に、人生をかけて生きた偉人が郷土の先達にいたことを知ってもらうことは、大人である私たちの責務ではないか」と、顕彰会を立ち上げた動機を書き記した。
 昨年十二月にニッケイ新聞社の藤崎康夫東京支社長を迎えて上塚翁に関する講演会をしたことが契機となり、その後、有志が集まって検討を重ねてきた。
 活動方針としては「百周年記念事業への取組み」「上塚周平についての副読本の制作・普及活動」「ブラジルとの友好都市提携を目指す」「シンボル・トゥリーとしてイッペイを増殖し植樹する」「上塚資料館の開設(資料収集)」など。この運動を町おこしの一端と捉え、「上塚周平のふるさと・コーヒーの町」として全国に発信するなどの案が出されている。
 十八日午後七時半から同町の「火の君総合文化センター」で、藤崎氏の講演と共に発会式が行われる。
 一方、先月母県に寄った折りに米原さんとも懇談した福田会長は、「地元からこのような声が挙がってくるのは本当に嬉しい。ブラジル側でも力が入ります」と歓迎する。
 同熊本協会では、記念事業として大型の交流事業を計画している。〇七年にはブラジルから母県へ五十人以上の慶祝訪問団を、〇八年には日本から百人規模で来てもらうことを計画中だ。加えて、サンパウロ市の同会館前に記念碑を設置すべく、石材を発注した。
 すでに記念誌の編纂委員会も立ち上げられた。宮村秀光委員長は「〇八年に出版予定です。ぜひ、いいものを残したい」と語る。主要テーマとしては「県人会の歴史」「県人移住者列伝」「熊本弁による移住史の座談会」「〇七年に築城四百年を迎える熊本城の改修工事の概要」など。県人にはジャーナリスト日下野良武さんもおり、充実した内容が期待されそうだ。
 笠戸丸移民には七十九人の県人がおり、全体の約一割だった。福田会長によれば、「百四十万日系人の一割、十万人以上が県人子孫ではないか」と推測し、移民大県ぶりを語った。
 〇八年の県人移住百周年および県人会創立五十周年に向け、母県共々、着々と機運は盛り上がっているようだ。県連の中沢宏一会長も「県人会レベルでは熊本が先んじている。県連としても日本祭りなどを通じて盛り上げていく。これから色々な県人会で百周年に向けた動きが盛り上がっていくだろう」との見通しを述べた。

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