ホーム | 日系社会ニュース | ■ひとマチ点描■おばぁちゃんの知恵

■ひとマチ点描■おばぁちゃんの知恵

2005年8月12日(金)

 ブラジルのご婦人方の活躍ぶりは昨月の日本祭で目を見張らせてもらったが、お隣パラグアイ・ラパス移住地も負けてはいない。
 日系ジャーナル紙によると、65歳から80歳を中心とした親睦団体「ほがらかクラブ」(宮里玉枝代表)が豆乳、竹炭石鹸製造を行っている。今年4月から市販を始め、首都アスンシオンの日系食料品店などで販売している。
 これは大分県が実施している「一村一品運動」の普及に来パしたJICAシニアボランティア、吉田賢一さんの指導を受けたもので、「石鹸にアロエを入れると柔らかくなるので、固くするのに苦労しました」と宮里代表は語る。
 販売代理店「カサ・ハポン」の高倉冨美子さんは「美容院などにも卸しており、非日系人からの注文も多い」と日系社会だけに留まらない評判のようだ。
 同国日系社会をよく知る関係者によれば「日本人を対象として食料品などを作っている移住地があるが、今回のような市販体制は珍しいのでは」と話す。
 今年6月に行われたアスンシオン婦人会バザーでは約100個が売れた。「肌がすべすべになり、本当に気持ちいい」とはある利用者の声。
 ほがらかクラブは「みんなが先生」をモットーに手芸や笛などの指導を行ったり、ヘチマ水とアロエを使った化粧品を作るなどの活動を行ってきた。おばあちゃんたちの長年の経験を移住地に残そうというのが結成のきっかけだ。
 現会員は約10人。クラブのメンバーたちは「石鹸を作って日本へ旅行しよう」を合言葉に頑張っている。       (剛)

image_print