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黒字財政で投資持続=サンパウロ州経済局長 商議所で講演=13計画の概要紹介

2005年8月17日(水)

 ブラジル日本商工会議所(田中信会頭)の八月昼食会が十二日、サンパウロ市内で開かれた。この日は、カルドーゾ政権で企画・予算・運営省大臣をつとめたマルトゥス・タバレス・サンパウロ州経済・企画局長が講演、「サンパウロ州の投資計画」と題して現在州政府が進めるプロジェクトを紹介した。
 タバレス局長によれば、現在、州政府の主導による四十七のプロジェクトが進行している。これらのプロジェクトへの投資額は、二年間で約百二十億レアル。州政府では、今年と〇六年にそれぞれ三十二億レアル、三十八億レアルの黒字収支を目標にしていると語った。
 プロジェクトの内容はインフラ整備をはじめ、人材育成などの社会環境整備事業、治安改善や学術振興など。この日の講演では、そのうち十三のプロジェクトについて説明された。
 インフラ関係ではサンパウロ市周辺の環状道路整備事業のほか、サントス港への「輸出街道」としてアイルトン・セナ街道、カルバーリョ・ピント街道、ドン・ペードロ街道の整備。地下鉄二号線のイピランガ区への延長ならびにルース駅からヴィラ・ソニア区へいたる四号線の建設計画などがある。
 また、サンパウロ市の鉄道不足解消のため、サンパウロ州都市圏鉄道(CPTM)C線のグラジャウまでの拡張や、F線のグアルーリョス―USP東部キャンパス間の最適化工事などが計画されているという。
 このほか、学術振興計画としては、サンジョゼ・ドス・カンポスやカンピーナスなど四カ所にサンパウロ州総合技術センターを設置して研究開発を進める計画もあると述べた。これらの計画は一部、官民合同プロジェクトとして実施される。
 サンパウロ州の財政は、九四年に赤字を脱却して以来、現在まで黒字財政が続いている。タバレス局長はこの実績を強調し、これらの計画を持続的に実施していくと述べた。
 この日の昼食会ではこのほか、在ブラジリア日本国大使館の大竹茂書記官があいさつ。五月に開かれた大使会議で町村信孝外務大臣から、在外公館が今まで以上に日系企業の支援に取組むよう指示があったことを説明した上で、今後大使館としても業界団体、個別企業からの相談を受け付けていく考えを示した。

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